この秋から冬じゅう、洛中諸所に、えたいの知れぬ火災がひんぴんと起っていたのは、あらましそれによる乱波の仕事だったのだ。
早くにこの附近へ乱波を入れておき——その煙を見つつ、彼の急襲隊は、会下山を離れて、もうついそこまで来ていたのだった。
“乱波”の解説
乱波(らっぱ)とは、三浦浄心の『北条五代記』(寛永18年・1641年刊)に用例のある、戦国大名に扶持(雇用)されて、他国に忍び入り夜討ちなどをする集団である。風魔は乱波の大将として知られた。
少し時代が下って、元禄年間の『奥羽永慶軍記』の佐竹北条合戦の話にも用例がある。
19世紀初の『武家名目抄』は、透波(すっぱ)と乱波の違いについて、密かに活動するものを「透波」、騒がしく動静が整わないものを「乱波」と呼ぶと解釈しながら、同じ意味とも解釈し、関東では「乱波」、甲斐以西では「透波」という地理的な使い分けがあった、とも解釈している。
(出典:Wikipedia)
少し時代が下って、元禄年間の『奥羽永慶軍記』の佐竹北条合戦の話にも用例がある。
19世紀初の『武家名目抄』は、透波(すっぱ)と乱波の違いについて、密かに活動するものを「透波」、騒がしく動静が整わないものを「乱波」と呼ぶと解釈しながら、同じ意味とも解釈し、関東では「乱波」、甲斐以西では「透波」という地理的な使い分けがあった、とも解釈している。
(出典:Wikipedia)