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ちゆうと
中途から
顏を
出した
宗助には、
能くも
解せなかつたけれども、
講者は
能辯の
方で、
默つて
聞いてゐるうちに、
大變面白い
所があつた。
(
其をお
渡りなさいます
時、
下を
見てはなりません
丁度中途で
余程谷が
深いのでございますから、
目が
廻と
悪うござんす。)
學校を
中途で
已めたなり、
本は
殆んど
讀まないのだから、
學問は
人並に
出來ないが、
役所でやる
仕事に
差支へる
程の
頭腦ではなかつた。
『まだ
御寐りませんかな。』と
言ひ/\
四五段上つた、
中途の
上下で
欄干越に
顔を
合はせた。
それも
始から
宿る
種がなかつたのなら、まだしもだが、
育つべきものを
中途で
取り
落したのだから、
更に
不幸の
感が
深かつた。