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ちゆうと
學校を
中途で
已めたなり、
本は
殆んど
讀まないのだから、
學問は
人並に
出來ないが、
役所でやる
仕事に
差支へる
程の
頭腦ではなかつた。
『まだ
御寐りませんかな。』と
言ひ/\
四五段上つた、
中途の
上下で
欄干越に
顔を
合はせた。
自分が
中途で
失敗つたから、
責めて
弟丈は
物にしてやりたい
氣もあるので、
此千
圓が
盡きたあとは、
又何うにか
心配も
出來やうし
又して
呉れるだらう
位の
不慥な
希望を
殘して、
又廣島へ
歸つて
行つた。