不見目みじめ)” の例文
かれえずあるものさがすやうなしか隱蔽いんぺいした心裏しんりあるものられまいといふやうな、不見目みじめ容貌ようばう村落むらうちさら必要ひつえうやうやげんじてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
もしや、老人が此儘死んでしまうようなことがあれば、自分はどんなに淋しい身の上になることであろうか、それは帰るべきねぐらを失った仔鳥よりも、いく段か不見目みじめであろうと思われる。
仲々死なぬ彼奴 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しな手桶てをけよこたへたたけ天秤てんびんけてどかりとひざつた。ぐつたりつたおしなはそれでなくても不見目みじめ姿すがたさら檢束しどけなくみだれた。西風にしかぜ餘波なごりがおしなうしろからいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
んだおしなはおつぎがうまれたばかりにすぐかまどべつにして、不見目みじめ生計くらしをしたので當時たうじはれ衣物きものであつた單衣ひとへつゝんで機會きくわいもなくむなしくしまつたまゝになつてたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)