不埒者ふらちもの)” の例文
上意にそむく不埒者ふらちもの、これが江戸に聞えなば島津七十三万石に傷がつき申そうぞ。それとも御身、江戸宗家に弓引く所存でござるかッ
大日本史には叛臣伝に出されて、日本はじまつて以来の不埒者ふらちものに扱はれてゐるが、ほんとににくむべき窺窬きゆの心をいだいたものであらうか。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「師の御房……不埒者ふらちものの覚明はここにおりました」走り出て、その前へ、ぺたっと両手をつかえた。善信は、眼を落して
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
や/\それは八重やへらねばぞ杉原すぎはらさまはそのやうな柔弱にうじやく放垨はうらつなおひとければ申してからが心配しんぱいなり不埒者ふらちものいたづらもの御怒おいかりにならばなんとせん
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それだのに右近や左太夫などの不埒者ふらちもののいるために、自分の勝利が、すべて不純の色彩を帯びるに至ったのだと思うと、彼は今右近と左太夫とに対し、旺然たる憎悪を感じ始めたのである。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「なぜ、かがり火をいておらぬ、この暗さで、いざことある場合になんといたす。不埒者ふらちものめが、はやくをつけい!」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お、おぬしだったかがあるものか! 妻を盗んだ不埒者ふらちものめがっ。千之が遺恨のやいば、思い知ったか」
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
そうじてかかる場合、たといそれがしが其家譜代の郎党であって、忠義かねて知られたものにせよ、斯様の事を迂闊うかつに云出さば、却って逆に不埒者ふらちものに取って落され、辛き目に逢うは知れた事
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
つとちてやの出給いでたまふを、ひすがりてそでをとれば、はなさぬか不埒者ふらちもの振切ふりきるを、お前樣まへさまどうでも左樣さやうなさるので御座ござんするか、わたし浮世うきよものになさりまするおか、わたくし一人ひとりもの
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「おおこれだな、足痕あしあとは。ウム、やはり例の賽銭さいせん荒しをする不埒者ふらちものに相違なかろう」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
慈悲も済度さいども時と場合によりけりじゃ。あまねき信者が信心こめた献納の祠堂金きどうきんは、何物にも替え難い浄財じゃ。それなる替え難い浄財を尊き霊地に於てスリ取った不埒者ふらちものかくまうことが、何の慈悲じゃッ。
そんな不埒者ふらちものは放ッてお置きになるがよろしい、聞けば、あの夜大事な神品を紛失したとか、不都合きわまる奴、すでに御隠家様のお耳にも這入はいって、放逐ほうちくじゃとお怒りなされておる。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不埒者ふらちものたちめがっ。引っ立てい!」
老中の眼鏡 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
茶わん屋へ押し入って、悪事をした渡辺天蔵は、いかにもわしの一族の者だが、わし自身は、そういう不埒者ふらちものは捨ておかん。天蔵は逃がしたが、その一味どもを成敗して、蜂須賀村へ帰るところだ。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不埒者ふらちものめ。これや清麿の偽物じゃ」
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不埒者ふらちものめがッ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不埒者ふらちものっ」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不埒者ふらちものっ」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)