下諏訪しもすは)” の例文
朝早く新宿から出発して下諏訪しもすはでも上諏訪かみすはでもいゝ、兎に角その日に霧ヶ峰へついて了へば、たとひそこに一泊したにしても、翌日の午前中は秋晴れの山といふ訳にはいかないにしても
霧ヶ峰から鷲ヶ峰へ (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
下諏訪しもすはると、七八にん田螺たにしきさうな、しか娑婆氣しやばつけ商人風あきんどふうのがひからして、ばら/\とはひつてた。なか一人ひとり、あの、をんな二人ふたりところへ、ましてこしけたをとこがあつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つかへ申けるは徳川と名乘なのらせ給ふにはさだめて仔細しさいある御方なるべしそれがし事は信濃國諏訪すはの者にて遠州屋ゑんしうや彌次六と申し鵞湖散人がこさんじんまた南齋なんさいとも名乘候下諏訪しもすは旅籠屋はたごや渡世とせい仕つれり若も信州邊しんしうへんへ御下りに成ば見苦みぐるしくとも御立寄あるべし御宿仕らんと云にぞ寶澤は打點頭うちうなづきさて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
企てるには金子とぼしくては大事成就覺束おぼつかなし第一に金子の才覺さいかくこそ肝要かんえうなれ其上にてはからふむねこそあれ各々の深慮しんりよは如何と申ければ天一坊進出すゝみいでて其金子の事にて思ひ出せし事ありそれがし先年九州へ下りしみぎ藝州げいしう宮島みやじまにて出會であひし者あり信州しんしう下諏訪しもすは旅籠屋はたごや遠藤ゑんどう屋彌次六と云ふ者にて彼は相應さうおうの身代の者のよしかたらおきし事も有ば此者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)