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るらう
退身爲し
流浪の身と成りしが二君に仕へるは
武士の
廉恥所成れ共座して
喰へば山も
空し何れへか
仕官に
就んと思ひしに不幸にも永の
煩ひに夫も成らず
困苦に困苦を
悲願の尊者、
諸菩薩よ、ただ
三界に
流浪する
假初ならぬ三
世の
縁おなじ
乳房の
寄りし
身なり
山川遠く
隔たりし
故郷に
在りし
其の
日さへ
東の
方に
足な
向けそ
受けし
御恩は
斯々此々母の
世にては
送りもあえぬに
和女わすれてなるまいぞと
寐もの
語に
云ひ
聞かされ
幼な
心の
最初より
胸に
刻みしお
主の
事ましてや
續く
不仕合に
寄る
方もなき
浮草の
我れ
孤子の
流浪の
身の
力と
頼むは