“よそゆき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
他所行31.3%
余所行25.0%
外出着10.4%
外行10.4%
他処行6.3%
外出6.3%
他行4.2%
他處行2.1%
外出向2.1%
餘所行2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、他所行よそゆきの衣服を着たお吉が勝手口から入つて来たので、お定は懐かしさに我を忘れて、『やあ』と声を出した。お吉はちよつと笑顔を作つたが
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
片腕ッていう処だが、紋床の役介者は親方の両腕だ、身に染みて遣りゃ余所行よそゆき天窓あたまを頼まれるッて言っていたものがあるよ、どうだい。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その朝、おばさんは外出着よそゆきに着かえて、おめかしも念入りに、何か進物籠しんもつかごのような物を若いのに持たせて一ト足さきに城内へ立って行く。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところがある日の事、先生例の頭——頭に外行よそゆき普段着ふだんぎもないから例の頭に極ってるが——その例の頭を振り立て振り立て、太陽に照らしつけて往来をあるいていた。これが間違いのもとである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
枕もとには母様が嫁入の時に着たキモノの絹の小さなキレや、母様がずっと昔、まだ桃割を結ってた時分の、他処行よそゆきのお羽織の紺青色のキレがあった。
少年・春 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
外出よそゆきの千条になった糸織いとおりを着た老婆の頭には、結いたての銀杏返いちょうがえしがちょこなんと乗っかっていた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
これから他行よそゆきするらしく髪も結ひ、割にキチンとした装である。酒を飲んだと見えて空のコツプが肱の前にある。
地熱 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
男の身のそれ位はありうちと他處行よそゆきには衣類めしものにも氣をつけて氣に逆らはぬやう心がけて居りまするに、唯もう私の爲る事とては一から十まで面白くなく覺しめし
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こりゃ三枚重ねの外出向よそゆきの着物を着ている果物だ。そう思ってまた剥きます。やっぱり皮です。こんな具合に猿はらっきょの本体を突き止めようと思って、剥いて剥いて、しまいに何にもない。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
三ヶにち與吉よきちきたな衣物きものてゝ、おつぎも近所きんじよかみうて炊事すゐじときでも餘所行よそゆき半纏はんてんたすきけてはたらいた。勘次かんじは三ヶにちさへ全然まる/\安佚あんいつむさぼつてはなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)