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他所行
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よそゆき
ふりがな文庫
“
他所行
(
よそゆき
)” の例文
それから同胞のN君を訪ね、一しよに散歩に出た。けふは日曜で天気が好いので、町の人も
他所行
(
よそゆき
)
の著物を著て歩いてゐる。
南京虫日記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
と、
他所行
(
よそゆき
)
の衣服を着たお吉が勝手口から入つて来たので、お定は懐かしさに我を忘れて、『やあ』と声を出した。お吉は
些
(
ちよつ
)
と笑顔を作つたが
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
しかし彼女は平常とは違つて、看護服を着ず、
他所行
(
よそゆき
)
姿で、他の看護婦達と恰も別れでも惜しむやうに、何だか頻りに感傷的な調子で話して居た。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
しぐれそうな日の午後、
他所行
(
よそゆき
)
に着替えた御主人がにこやかにいった。後にお神さんも一帳羅を着てめかしていた。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
他所行
(
よそゆき
)
と、不断着、見せる本と、読む本との間に、多少の違いのあるのは
已
(
や
)
むを得ないことであるかもしれない。
随筆銭形平次:15 捕物小説は楽し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
或は田町の鹽湯で見た時から
暫時
(
しばらく
)
の間——もう少し押切つていへば、久保田君の第一集、「淺草」の出る頃迄の久保田君は、極めて
他所行
(
よそゆき
)
の久保田君だつたのかもしれないが
貝殻追放:015 「末枯」の作者
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
お島は乃公に
他所行
(
よそゆき
)
の
洋服
(
きもの
)
を着せて、横撫ぜをしないようにと言ったから、一つ
擲
(
なぐ
)
ってやった。新しい襟飾を付けて、新しい手袋を
穿
(
は
)
めて、新しいハンケチを持って、何も彼も新しずくめだ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「へッ、親分の前だが、そんなことであっしが飛んで来るものですか。今日の大変は
他所行
(
よそゆき
)
の大変なんで」
銭形平次捕物控:134 仏師の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それから、上さんは靴下の繕ひを自慢して見せ、
他所行
(
よそゆき
)
の
著物
(
きもの
)
を持つて来て見せ、次いで一足の靴を持つて来て見せ、
墺太利
(
オーストリー
)
の
Salzburg
(
ザルツブルク
)
製だと云つた。
南京虫日記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
私の
頭脳
(
あたま
)
を多少
他所行
(
よそゆき
)
の心持にした。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「よし/\心中する道行に
他所行
(
よそゆき
)
の煙草入を持つて行く筈はないと言ふつもりだらう」
銭形平次捕物控:218 心中崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
媼の
他所行
(
よそゆき
)
の衣裳は
裾
(
すそ
)
の長い旧式な黒衣であつた。その衣裳を
著
(
き
)
て媼は私等と芝居見に行き、
夕餐
(
ゆふさん
)
をしに行つた。ある日媼はその衣裳を著、貸間を見に私を連れて行つて呉れたことがある。
日本媼
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「へツ、相變らず無精をきめ度いんでせうが、今日の大變は
他所行
(
よそゆき
)
の大變ですよ」
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
労働者達もけふは日曜なので帽も服も
他所行
(
よそゆき
)
のを著、なかには男の子を肩車にして、妻を連れて歩いてゐるのなどもある。路傍に立つて心霊療法の本を売つてゐるのにも労働者等がたかつてゐる。
イーサル川
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「夜更けに、
他所行
(
よそゆき
)
の懐中煙草入を持って、土蔵へ入る人間はないよ」
銭形平次捕物控:127 弥惣の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お安い御用だ、
他所行
(
よそゆき
)
のですか、それとも
平常
(
ふだん
)
使ひのですか」
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
他
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
“他所行”で始まる語句
他所行着