“よこしま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヨコシマ
語句割合
71.6%
邪悪7.5%
邪曲7.5%
4.5%
1.5%
1.5%
1.5%
1.5%
悖戻1.5%
邪道1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宗祇は「先ず心操をもって本となし、最初思いよこしまなくこの義を習う」ともいい、また「口決の事等、ただ修身の道にあり」とも説いた。
邪悪よこしまにして慾深ければ、奉納のあげ豆腐をて足れりとせず。われから宝珠を棄てて、明神の神祠みやしろを抜け出で、穴も定めぬ野良狐となりて、彼の山に漂泊さまよひ行きつ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
その所有物もちものは地に蔓延ひろがらず……邪曲よこしまなる者の宗族やから零落おちぶれ、賄賂まいないの家は火にけん
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
世間の人達が一口に通り魔というのがこれでござる……わしには曲者の本態もおおかた見当がついております。これからすぐにご城内に参り、そのよこしまの法術者を観破してお目にかけましょう
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかもよこしまただしきに敗け、最後の勝利は公子に帰して、月桂樹は幼い天才に渡ります。——神よ、正しき者に幸あれ!
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それがお前をさましたね! (突然)俺の計画もくろみは崩された! (憤然と)暗と血薔薇の一曲が、死に行く人魚の恋歌に、歌い消され弾き消され、よこしまだったわが弦が、お前を誘う音を出すには
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この十蔵が事は貴嬢きみも知りたもうまじ、かれの片目はよこしまなる妻が投げ付けし火箸ひばしの傷にてつぶれ、間もなく妻は狂犬にかまれてせぬ。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
試みに想いそうらえ、十蔵とはよこしまなる妻のために片目を失いし十蔵なり、妻なく子なく兄弟なく言葉少なく気重く心怪しき十蔵なり。二郎とはすなわち貴嬢きみこそよく知りたもう二郎なり。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
よこしま多き時は自らのりを立つることなかれと。けだし、泄冶の場合にあてはまるようだな。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「令狐譔の持論は正しい、志もよこしまでない、条理も立っている、罪を加えることができない、放還して遺直をあらわすがよい」
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
私たちは、こうして私たちの肉体と霊魂たましいを罰せねば、犯した罪の報償つぐのいが出来ないのです。この離れ島の中で、私たち二人が犯した、それはそれは恐ろしい悖戻よこしま報責むくいなのです。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
調達ちょうだは八万蔵をそらんじながら遂に奈落にちたという。いかに学問ばかりひいでようとも、根本のこころざしが邪道よこしまにねじけておっては詮ない。かえって学問が身の禍いをなすためしもある。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)