邪悪よこしま)” の例文
旧字:邪惡
(間)俺の弾く「暗と血薔薇」の一曲には、邪悪よこしまの恋が歌われ、不義の慾望が吟じてあるが、あの短ホ調の一節には、正しい嘆きが篭っている。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
邪悪よこしまにして慾深ければ、奉納のあげ豆腐をて足れりとせず。われから宝珠を棄てて、明神の神祠みやしろを抜け出で、穴も定めぬ野良狐となりて、彼の山に漂泊さまよひ行きつ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
……邪悪よこしまな恋! すべからざる恋! それに私は迷っております。……どうぞお救いくださいまし
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
……ここにお立ち合いの皆様方は、みんな真面目のお方らしい。そこでわしはわしの信ずる、人間の道をお話しして……いや待てよ、一人だけ、邪悪よこしまの人間がいるようだ。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
邪悪よこしまなるものと清浄なるものとが今やピッタリ顔を合わせ互いに相手を睨まえたのである。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)