“ぼつきやく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
沒却66.7%
没却33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
にちいた疾風しつぷうはたちからおとしたら、西にしそら土手どてのやうなくもはしちかすわつて漸次だん/\沒却ぼつきやくしつゝまたゝいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
併し自分は親の光を取受うけとツて、自分を光らせやうとも思はなければ、また華族なる特別の階級クラスに立ツて自己を沒却ぼつきやくするのも嫌だ。自分はたゞの人として自己を發揮すればりる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
そらからはあたゝかい日光につくわうまねいてつちからはなががずん/\とさしげてはさらながくさしげるので派手はではなむぎ小麥こむぎにも沒却ぼつきやくされることなくひろめるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
れが段々だん/\いやでない誘惑いうわくつてあまあぢわづかかんずる程度ていどまでちかづいた刹那せつなさい破壞はくわいられたのである。おつぎは以前いぜんかへつて恐怖きようふふか沒却ぼつきやくせねばならなくつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
俺だつて一個の人間であつて見れば、何時まで自己じこ没却ぼつきやくして、此様に苦しむでゐる、ことあ有りやしない。一つはねを伸して、此のあやふやな境遇きやうぐうを脱けて見やうじやないか。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)