“びせん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
微賤69.2%
美髯7.7%
尾扇3.8%
尾栓3.8%
微顫3.8%
眉尖3.8%
美饌3.8%
鼻髯3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その生活こそ、海よりもより深くより広いのだ。われわれのうちのもっとも微賤びせんな者といえども、内に無限なるものをになっているのだ。
美髯びせん禿頭とくとう、それがシヤツ、ヅボンしたに、大麥稈帽おほむぎはらぼうかぶつて、いましもはたみづつてところ
伊藤喜兵衛いとうきへえは孫娘のおうめれて、浅草あさくさ観音の額堂がくどうそばを歩いていた。其の一行にはお梅の乳母のおまき医師坊主いしゃぼうず尾扇びせんが加わっていた。喜兵衛はお梅を見た。
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「拙者五年の苦心は、大筒の尾栓びせん螺線止ねじどめであった、今までの大筒は、五貫目玉を強薬つよぐすりで撃ち出すと、たった一発で尾栓が破裂したが、これからはもう、その心配は無い——が」
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
ただ天保の倹約令に至りては、太平の社会を震動せしめ、半世紀後の今日において、白頭の父老ふろうこれを語りて唇角しんかく微顫びせんあるを覚えしめたるは何ぞ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
少女ノ風コレヲなびカス。(雨前ノ風ヲ少男トイヒ雨後ノ風ヲ少女トイフ)動揺シテ安ラカナラズ。余喜色眉尖びせんニ動ク。側ニ侍スル者怪ンデコレヲ問フ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ところが、飢えたる者は人の美饌びせんくるを見ては愈々飢のくるしみを感ずる道理がある。ける者は人の饑餓きがに臨めるを見ては、余計に之を哀れむの情を催す道理がある。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
たゞこの秘密造船所ひみつぞうせんじよづるまへに、一言ひとこときたきは、海底戰鬪艇かいていせんとうてい竣成しゆんせい期日きじつと、このてい如何いか命名めいめいされるかとのてんである。大佐たいさわたくしとひたいして、悠々ゆう/\鼻髯びせんひねりつゝ