美髯びせん)” の例文
燈光とうくわうさんとしてまばゆき所、地中海の汐風に吹かれ来しこの友の美髯びせん、如何に栄々はえ/″\しくも嬉しげに輝やきしか、我はになつかしき詩人なりと思ひぬ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
美髯びせん禿頭とくとう、それがシヤツ、ヅボンしたに、大麥稈帽おほむぎはらぼうかぶつて、いましもはたみづつてところ
美髯びせんを一捻して主人の静かに答ふらく、然りアルノの河の畔など、伊太利の風光もさる事ながら、しかも我にはかの瑞西スイツツルの楽天地、アルペン山の又なき神々しさを拝みたる許り嬉しき時はなかりき。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)