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すんぱふ
出るや否や下に/\の
制止の
聲々滯ほりなく渡邊橋の
旅館にこそ歸りける今は
誰憚る者はなく幕は
玄關へ
閃き表札は雲にも
屆くべく恰も
旭の
昇るが如き
勢ひなれば
町役人どもは晝夜
相詰いと
嚴重の
欵待なり
扨御城代には
御墨附の
寫し并びに
御短刀の
寸法拵へ迄
委敷認め
委細を
水仙薫る
浮世小路に、やけ
酒の
寸法は、
鮟鱇の
肝を
解き、
懷手の
方寸は、
輪柳の
絲を
結ぶ。
結ぶも
解くも
女帶や、いつも
鶯の
初音に
通ひて、
春待月こそ
面白けれ。