-
トップ
>
-
げんくわん
父さんが
玄關の
廣い
板の
間に
居て、その
筬の
音を
聞きながら
遊んで
居りますと、そこへもよくめづらしいもの
好きの
雀が
覗きに
來ました。
宗助は
浴衣の
後影が、
裏口へ
出る
所で
消へてなくなる
迄其處に
立つてゐた。それから
格子を
開けた。
玄關へは
安井自身が
現れた。
代助はうんと云つて、
入口に返事を
待つてゐた
門野を追ひ
払ふ様に、自分で
立つて
行つて、椽側へ
首を
出した。三千代は椽側と
玄関の
継目の所に、
此方を
向いてためらつて
居た。
一
体は
医者殿、
手のつけやうがなくつて、
身の
衰をいひ
立てに一
日延ばしにしたのぢやが三
日経つと、
兄を
残して、
克明な
父親の
股引の
膝でずつて、あとさがりに
玄関から
土間へ