“きょうこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
恐慌21.4%
恐惶16.1%
兇行14.3%
向後8.9%
強硬8.9%
峡口5.4%
嬌喉3.6%
強項3.6%
矜高3.6%
胸腔3.6%
(他:6)10.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十人まで首にされて愈々恐慌きょうこうきたした残りの番士たちは、この上は源助町にたよって身を守るよりほか仕方がない。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
人は気楽なもの、腹の中にてかかる恐慌きょうこうを起すとも知らず、平生へいぜい胃吉や腸蔵を虐使ぎゃくしするにれけん。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
弟子達の困憊こんぱい恐惶きょうこうとの間に在って孔子は独り気力少しもおとろえず、平生通り絃歌してまない。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
萩之進のほうは覚えのあることだから、大いに恐惶きょうこうして、なんとか乞食の相をはらいたいと思い、いまの故事にならって、千人悲願を思い立ち
顎十郎捕物帳:10 野伏大名 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
おそらく犯人は、そういう事情をのみこんでいて兇行きょうこうしたのであろうと、秋吉警部は考えた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「何か兇行きょうこうをするに就て、最近の動機ともなったような事件がありましたでしょうか。」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
子供に着物の一枚いちめえも着せてえと思って、ツイ追目おいめに掛ったんだが、向後きょうこうもうふッつり賭博ばくちはしねえで、仕事を精出すから
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うしてくれゝば己へのい意見だから、向後きょうこうふっつりもう賭博ばくちのばの字も断って、元々通り仕事を稼いで、じきに汝の身受をに来るから
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
特異とくいな行事を期待していた塾生たちにとっては、多少物足りなく感じられたらしかったが、そのために、これという強硬きょうこうな主張も出なかった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
その事のわたるや各国公使は異口同音いくどうおんに異議を申込みたるその中にも、和蘭公使オランダこうしのごときもっとも強硬きょうこうにして
そして彼自身も、後へ戻って、谷道の峡口きょうこうを出ようとすると、突如、天地を鳴り轟かせて、巨岩大木が頭上へ降ってきた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よしっ、そう明瞭になればかえって始末がいい。峡口きょうこうの進攻にぐずぐずしていたのもこのために依るか。この報復は断じて思い知らせずにはおかん」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
南無阿弥陀仏なむあみだぶつ嬌喉きょうこうすいはてを送り三重さんじゅう鳥部野とりべの一片のけむりとなって御法みのりの風に舞い扇
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
懇親といえば懇親あえて益する所はなく、いっそ窮屈極まるものと思って居たが、「あらあたしのではお厭なの」、嬌喉きょうこう玉を転ばすが如きこの妙音が、たちまち小歌という大知己を得させたので、秋元の我部屋へ帰ってからも
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
強項きょうこうの人、あるい呉山ござんに老朽をあまんじて、一生世外せいがい衲子とっしたりしも、また知るべからず
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼が強項きょうこう不屈なる、実にかくの如きものなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
樗牛また矜高きょうこう自ら持して、我が説く所は美学上の創見なりなどと曰って居る。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「——延は矜高きょうこう。儀は狷介けんかい
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
音に伴う一種の振動は胸腔きょうこう全部に波及している事がさわってみると明らかに感ぜられる。
ねずみと猫 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その時、老人は左右の手を、物でもすくうように円く曲げ、ドップリと胸腔きょうこうへ差し込んだが、ひじの付け根から爪の先まで、唐紅からくれないに血に染めて、それを再び引き出した時には、軟いドロドロした変な物を、てのひら一杯に捧げて持っていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
アウシュコルンは驚惶きょうこうていで、コーンヤックの小さなさかずきをぐっとのみ干して立ちあがった。
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
やくそくしてむかえられる日を待っている女の家では驚惶きょうこうして吾も吾もと女を夫の家へ送った。
竇氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「予もことしは五十四歳になる。連年戦陣、連年制覇。わがもいつか尨大ぼうだいになったが、この身もいつか五十四れい。髪にも時々霜を見る年になったよ。だが諸君、笑ってくれるな。呉に討入るときには、予にも一つの楽しみがある。それはそのむかし予と交わりのあった喬公きょうこうの二じょうを見ることだ」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手前のような野郎は、嚮後きょうこう、友達だなんぞと思わねえから
「おいでなさいまし。お駕籠屋さんとお見うけしましたが、景気をつけに来てくださいましてありがとうございます。……酒はなだ都菊みやこぎく産地もと仕入れでございますから量はたっぷりいたします。なにとぞ嚮後きょうこうごひいきに、へい」
ユトランドの荒地は今やこの強梗きょうこうなる樹木をさえ養うに足るの養分をのこしませんでした。
それから太陽が一番高くなる正午に近くまでの約四時間を、三人は強行きょうこうして逃げた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)