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恐慌
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きょうこう
ふりがな文庫
“
恐慌
(
きょうこう
)” の例文
しかし、痛手の急性の現われは何といっても、この春財界を襲った
未曾有
(
みぞう
)
の
金融
(
きんゆう
)
恐慌
(
きょうこう
)
で、花どきの終り頃からモラトリアムが
施行
(
しこう
)
された。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「人間
豹
(
ひょう
)
」だけでも充分な上に、今度は本物の猛獣までが野放しになっているとわかっては、浅草人種の
恐慌
(
きょうこう
)
は察するにあまりがあった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
経済地の
恐慌
(
きょうこう
)
は、不景気よりも何よりも戦争の
跫音
(
あしおと
)
だった。——足弱の避難につづいて、堺の財貨は、日々、堺の外へ
搬出
(
はんしゅつ
)
されて行った。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると彼女は激しい
恐慌
(
きょうこう
)
と
嫌悪
(
けんお
)
との表情をしたので、彼はびっくりしてしまった。それからはもうクリストフの名前は口に出されなかった。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
吹きまくる大暴風雨のような
恐慌
(
きょうこう
)
の最中に、又してもこの
脅威挑戦
(
きょういちょうせん
)
——忌中だが、こんどはじぶんの前に現れたのだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
真相がそとへもれたらしく、関係者たちの根強い団結にもかかわらず、
恐慌
(
きょうこう
)
はこれ以上おさえがたい形勢だった。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
学校当事者は入学志願者がなくて
恐慌
(
きょうこう
)
を来した。中学校長から小学校長へ鄭重を極めた依頼状が廻った。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
もとより火を消す必要もなく、また放火者が近づいて来たわけでもなかったのであるが、こうして我々は全市を揺り動かしている
恐慌
(
きょうこう
)
にたちまちにして感染したのである。
地異印象記
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
人は気楽なもの、腹の中にてかかる
恐慌
(
きょうこう
)
を起すとも知らず、
平生
(
へいぜい
)
胃吉や腸蔵を
虐使
(
ぎゃくし
)
するに
馴
(
な
)
れけん。遠慮もなく
会釈
(
えしゃく
)
もなく上の方よりドシドシ
食物
(
しょくもつ
)
を腹の中へ詰め込み
来
(
きた
)
る。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
この四月以来
市場
(
しじょう
)
には、
前代未聞
(
ぜんだいみもん
)
だと云う
恐慌
(
きょうこう
)
が来ている。現に賢造の店などでも、かなり手広くやっていた、ある大阪の同業者が突然破産したために、最近も
代払
(
だいばら
)
いの厄に遇った。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
日露開戦の当初にもまたあるいは同じ困難に陥りはせぬかという
危惧
(
きぐ
)
からして、当時の事を覚えている文学者仲間には少からぬ
恐慌
(
きょうこう
)
を
惹
(
ひ
)
き起し、額を
鳩
(
あつ
)
めた者もなきにしもあらずであったろう。
おばけずきのいわれ少々と処女作
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは、いわばぼくの
恐慌
(
きょうこう
)
が吐き散らした無意味な悲鳴でしかないのだ。
煙突
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
ほかから
挑
(
いど
)
みかける必要はない。
恐慌
(
きょうこう
)
が始まる。ざわめきが起こる。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
正直に
恐慌
(
きょうこう
)
以来の自家の財政の
遣
(
や
)
り繰りを述べ、しかし、断然たる切り捨てによって小ぢんまりした
陣形
(
じんけい
)
を立直すことが出来
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
徳川家康の
界
(
さかい
)
へも、ほとんど見さかいなき
相
(
すがた
)
で侵攻を開始し、まさに、天下再乱の
恐慌
(
きょうこう
)
を思う民衆の予想は
中
(
あた
)
っているかとも思われるばかりであった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十人まで首にされて愈々
恐慌
(
きょうこう
)
を
来
(
きた
)
した残りの番士たちは、この上は源助町に
頼
(
たよ
)
って身を守るよりほか仕方がない。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
すると、西涼一帯に、いろいろな
謡言
(
ようげん
)
が
流布
(
るふ
)
されて、州民は、
恐慌
(
きょうこう
)
を起した。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“恐慌”の意味
《名詞》
恐 慌(きょうこう)
恐れ慌てること。パニック。
好景気から極端な不景気になる際などに起こる経済の混乱。
(出典:Wiktionary)
“恐慌”の解説
恐慌(きょうこう、en: crisis、de: Wirtschaftskrise)は、景気循環の過程のうち、好況局面で突如発生する深刻な景気後退である。経済学の研究分野の1つである。マルクス経済学では、資本主義経済に固有の現象として恐慌を重視する。
(出典:Wikipedia)
恐
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
慌
常用漢字
中学
部首:⼼
12画
“恐”で始まる語句
恐
恐怖
恐懼
恐々
恐入
恐縮
恐悦
恐喝
恐惶
恐多