強硬きょうこう)” の例文
小原の強硬きょうこうな忠告によってそれをまくことにした、かれらはいずれもいずれも暗涙にむせんで歯をくいしばっていた。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
特異とくいな行事を期待していた塾生たちにとっては、多少物足りなく感じられたらしかったが、そのために、これという強硬きょうこうな主張も出なかった。最も多く発言したのは飯島だった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
しからば幕府の内情は如何いかんというに攘夷論じょういろんさかんなるは当時の諸藩しょはんゆずらず、な徳川を一藩として見れば諸藩中のもっとも強硬きょうこうなる攘夷じょうい藩というも可なるほどなれども、ただ責任せきにんの局にるがゆえ
義昭よしあきとしては、将軍家という司権者の立場から、自分の諸政にたいする信長の意見書などに、耳をかす気もなかった。けれどただ十七ヵ条のうち二箇条だけは、強硬きょうこうに迫られると、困る問題だった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と正三君はいつになく強硬きょうこうに出た。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
その事のわたるや各国公使は異口同音いくどうおんに異議を申込みたるその中にも、和蘭公使オランダこうしのごときもっとも強硬きょうこうにして、現に瓜哇ジャワには蘭王らんおう料地りょうちありて物産ぶっさんを出せども、これを政府の手にて売捌うりさばくことなし