峡口きょうこう)” の例文
そして彼自身も、後へ戻って、谷道の峡口きょうこうを出ようとすると、突如、天地を鳴り轟かせて、巨岩大木が頭上へ降ってきた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遊船会社の前の峡口きょうこうは高い高い白い石の橋台に立って、驚くべき長い釣棹つりさおを垂れている人影も見えた。橋の下にも幾群いくむれか糸を投げてうおを待つ影も見えた。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「よしっ、そう明瞭になればかえって始末がいい。峡口きょうこうの進攻にぐずぐずしていたのもこのために依るか。この報復は断じて思い知らせずにはおかん」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さては、うしろへ出たか」と、あわてて引っ返して、途中の有名な嶮路けんろ陳倉峡口きょうこう洞門どうもんまで来ると、上から大岩石が落ちてきて、彼の部下、彼の馬、みなくじきつぶされた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第三路は、すなわち隣好の策を立てて、呉をうごかし、両川、峡口きょうこうに迫らせ、第四路には、降参の蜀将孟達もうたつに命じ、上庸じょうようを中心とする十万の兵をもって涪城ふじょうを取らしめます。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)