“きぬゑ”の漢字の書き方と例文
語句割合
衣絵100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
友染いうぜんきれに、白羽二重しろはぶたへうらをかさねて、むらさきひもくちかゞつた、衣絵きぬゑさんが手縫てぬい服紗袋ふくさぶくろつゝんで、そのおくつた、しろかゞや小鍋こなべである。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
平生へいぜいからあざけるものはあざけるが、心優こゝろやさしい衣絵きぬゑさんは、それでもどくがつて、存分ぞんぶんかしてむやうにとつた厚情こゝろざしなのであつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのは、じつひとたちの、まだ結婚けつこんしない以前いぜんから衣絵きぬゑさんをつてた……とふよりもられてたとつてからう。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
衣絵きぬゑさんのもうくなるまへだつた——たしか、三めであつたとおもふ……従弟いとこ細君さいくん見舞みまひつたとき音信たよりであつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのはものぐるはしいまで、あはたゞしく外套ぐわいたういだ。トタンに、衣絵きぬゑさんのしろ幻影げんえいつゝむでかくさうとしたのである。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
衣絵きぬゑさんに、となへ似通にかよふそれより、ほ、なつかしく、なみだぐまるゝは、ぎんなべれば、いつも、常夏とこなつかげがさながらゑたやうにくのである。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)