-
トップ
>
-
かひとゝの
電燈の
光は
白晝を
欺かんばかりなる
市街に
上陸して、
竊かに
櫻木海軍大佐より
委任を
受けたる、
電光艇用の
秘密藥品を
買整へ、十二の
樽に
密封して、
今は
特更に
船を
艤裝する
必要もなく
買調へたる故其小間物は一
旦取上物と成しが今度彦兵衞へ下さるゝなり
然上は右五十兩并に
利息を
扨寶珠花屋八五郎は後藤の出行し
後早々下男の彌助にいひ
付先燒酎鷄卵白木綿等を
買調へ夫より
外科へ怪我人ある趣き申
遣し招きけるに
醫師は幸ひ
在宿なればとて彌助に
藥籠を
土山宿にて街道筋なれば
最早惡者の
追來る憂ひなし緩りと御休み成るべしと
深切の言葉に友次郎も頼母敷思ひ此所にて草鞋
買調へてお花に履せ自分も履替などして
厚く一禮述立出しがお花は是迄に息を