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馬関
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ばかん
ふりがな文庫
“
馬関
(
ばかん
)” の例文
馬関
(
ばかん
)
に来り虎病患者死せし頃は船中の
狼狽
(
ろうばい
)
たとへんにものなく乗組将校もわれらも船長事務長と言ひ争そひて果ては
喧嘩
(
けんか
)
の如くなりぬ。
従軍紀事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
釜山
(
ふざん
)
から
馬関
(
ばかん
)
へ渡る船中で、
拓殖
(
たくしょく
)
会社の
峰八郎君
(
みねはちろうくん
)
の妻君に
逢
(
あ
)
ったとき、八郎君は
真面目
(
まじめ
)
な顔をして、これは夏目博士と引き合した。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
維新
前
(
ぜん
)
馬関
(
ばかん
)
砲撃に参加した英艦テイマア号が武装を解いて白く塗られ記念品として繋留してあるのを左弦に見つつ港内の中央に
碇着
(
ていちやく
)
した。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
こいつはいけねえと、俺はシモノセキを——カバンのことだ、
馬関
(
ばかん
)
の逆語だ、そのカバンを持ちかえて、その間に、ごまかしの言葉を考えて
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
攘夷戦争をおっ始めた長崎ならきっと仕官もできるだろうと、はるばる出かけてみれば
馬関
(
ばかん
)
戦争に一敗したところで、仕官どころのさたでない。
志士と経済
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
▼ もっと見る
「どうも小倉には御主人のお目に留まったものがなさそうだ。多分
馬関
(
ばかん
)
だろうと思って、僕は随分熱心に聞いて廻ったのだが、結果が陰性だった。」
独身
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
この間
帰
(
かえっ
)
た。「ドウダエ
馬関
(
ばかん
)
では大変な事を
遣
(
やっ
)
たじゃないか。何をするのか
気狂
(
きぐるい
)
共が、
呆返
(
あきれかえっ
)
た話じゃないかと云うと、村田が眼に
角
(
かど
)
を立て、「何だと、遣たら
如何
(
どう
)
だ。 ...
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
馬関
(
ばかん
)
の
稲荷
(
いなり
)
町には、
黄昏
(
たそがれ
)
が来て、
宵
(
よい
)
が来て夜更けが来て、そして喧嘩やら、奇兵隊節やら、ジャンジャカ
三味線
(
じゃみせん
)
やら、ゆうべと変わらない疲れた眠気が下り、霜が下りる。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下関人の話によれば下関、
馬関
(
ばかん
)
、広島、別府方面におけるふぐの商い高は年々六十万円を下らないと誇る。これを話半分にして三十万円のふぐが年々ひとの口に入るわけだ。
河豚食わぬ非常識
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
支那は
脆
(
もろ
)
くも敗れて
僅
(
わず
)
かに半歳を
出
(
い
)
でざるに、早くも李鴻章は
馬関
(
ばかん
)
に派して和を請うに至った。これがかの有名なる馬関条約で、そして三国干渉の起ったのもこの時であった。
三たび東方の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
尤も、故伊藤公の梅子夫人も
馬関
(
ばかん
)
の妓、
桂
(
かつら
)
かな子夫人も名古屋の料亭の養女ではある。
明治大正美人追憶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
瀬戸内の波いと穏やかに
馬関
(
ばかん
)
に着きしに、当時大阪に流行病あり、
漸
(
ようや
)
く
蔓延
(
まんえん
)
の
兆
(
ちょう
)
ありしかば、ここにも
検疫
(
けんえき
)
の事行われ、一行の着物は
愚
(
おろ
)
か荷物も所持の品々も
悉
(
ことごと
)
く消毒所に送られぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
余談ですが、
馬関
(
ばかん
)
の
春帆楼
(
しゅんぱんろう
)
かどこかで、伊藤博文公がお湯へはいった。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
何でも是公に聞いて見ると
馬関
(
ばかん
)
や何かで我々の不必要と認めるほどの御茶代などを宿屋へ置くんだそうだから、是公といっしょに歩いて
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
馬関
(
ばかん
)
砲撃の七日前、さきの遣外鎖港使節一行が大急ぎで帰国した。パリでナポレオン三世政府との間に締結された仏幕秘密条約が手に握られていた。
尊攘戦略史
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
御隠居様も御姫様も
中津
(
なかつ
)
の浜から船に
乗
(
のっ
)
て
馬関
(
ばかん
)
に行き、馬関で蒸気船に乗替えて
神戸
(
こうべ
)
と、
都
(
すべ
)
ての用意
調
(
ととの
)
い、いよ/\中津の船に乗て夕刻沖の方に出掛けた処が
生憎
(
あいにく
)
風がない
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その他
淑徳
(
しゅくとく
)
の高い故伊藤公爵の夫人梅子も前身は
馬関
(
ばかん
)
の芸妓小梅である。山本権兵衛伯夫人は品川の妓楼に身を沈めた女である。桂公爵夫人加奈子も名古屋の
旗亭香雪軒
(
きていかせつけん
)
の養女である。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ある時用事が出来て
門司
(
もじ
)
とか
馬関
(
ばかん
)
とかまで行った時の話はこれよりもよほど念が
入
(
い
)
っている。いっしょに行くべきはずのAという男に
差支
(
さしつかえ
)
が起って、二日ばかり彼は宿屋で待ち合わしていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
馬
常用漢字
小2
部首:⾺
10画
関
常用漢字
小4
部首:⾨
14画
“馬関”で始まる語句
馬関田