けい)” の例文
山阜さんぷのごとし、百けいに散ず、その蛻骨の時に遇えば生竜のごとし、あるいはいわく竜常にこの処に闘う、膏血こうけつ流水のごとしと。
私の邸内にある樹木、これは皆な私が来てからゑたものだ。もとは木も何もなく、無論家屋もなく、一けいの芝畠であつた。
自からを信ぜよ (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
彼らはもはや数万けいの田を兼併し、あるいは民衆をおのが私用のために駆使するというごとき利己主義的な特権を、公然と許されているわけではない。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「卿等、碌々人に拠って事をなすの徒。燕雀えんじゃくいずくんぞ、大鵬の志を知らんや、か——吾に、洛陽負廓田ふかくでんけい有らしめば、あによく六国の相印をびんや、か」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
『自分には成都に桑八百株薄田はくでん十五けいがあるから子孫の生活には困らせない用意は出来ており、官から一物をも与えられなくとも生活が保証されておりまする』
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ソノくるしミヤおもフベシ。蘆野あしや駅ニ飯ス。ここニ至ツテ路平坦へいたん。雨モマタム。田塍でんしょう数百けい未収穫ニ及バズ。稲茎わずかニ尺余。穂皆直立シ蒼蒼然トシテ七、八月ノ際ノ如シ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
天武天皇十二年、俗に白鳳の地震と言っている地震に、土佐の田苑五十万けいが陥没して海となったという伝説のあるなども、それを裏書してあまりあるように思われる。
日本天変地異記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
土地五十万けいが陥落して海となったという記録があり、それからずっと後には慶長九年(一六〇四)と宝永四年(一七〇七)ならびに安政元年(一八五四)とこの三回の大地震が知られており
怪異考 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
◎我に二けいの田あらば、麦青く風暖き処、退いて少年を教育するもまた面白からんと思ふ。教育には智育、技育、徳育、美育、気育、体育あり。その中にて最大切にしてまた最効力いちじるしきは智育なり。
病牀譫語 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
また湖水を埋め立てて、何千けい干潟ひがたを作ると何万石の増収がある、そういうことばかり聞かせられた日には、人間の存在は株式会社の社員以上の何ものでもありません。
また『西域記』十二にいにし瞿薩旦那くさたな国王数十万衆を整えて東国の師百万をふせぎ敗軍し、王はいけどられ将士みなごろしにさる、その地数十けい血に染みて赤黒く絶えて蘗草くさなしと見ゆ、南インド
黄英はその金で村はずれに肥えた田を二十けい買って、屋敷をますます立派にした。と、馬の所へ東粤とうえつから客が来て陶の手紙を出した。開いてみるとそれは姉と結婚してくれという頼みであった。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
諸儒もまた孔子の冢において礼を講じ、郷飲し、大射たいしゃした。孔子の冢は大いさ一けい、もと孔子の住んだ堂は後に廟となって孔子の衣冠琴車書を蔵している。漢に至るまで二百余年絶えたことがない。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
田が数十けいあるが、貪縦たんじゅうくことがなく、しきりに隣接地を自分の物にしているが、その手段が甚だよくない、ひとりぽっちでたすけのない者を欺いて、やすく買い、中にはその定価を払わないで
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)