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非業
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ひごふ
ふりがな文庫
“
非業
(
ひごふ
)” の例文
博多
(
はかた
)
の帶、
越後上布
(
ゑちごじやうふ
)
の
單衣
(
ひとへ
)
、——どう見ても
丁稚
(
でつち
)
や手代の風俗ではありませんが、仔細あつて、横山町の遠州屋の主人はツイ先頃
非業
(
ひごふ
)
の死を途げ
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
また
二人
(
ふたり
)
が
内祝言
(
ないしうげん
)
の
日
(
ひ
)
はチッバルトどのゝ
大厄日
(
だいやくじつ
)
、
非業
(
ひごふ
)
の
最期
(
さいご
)
が
因
(
もと
)
となって
新婿
(
にいむこ
)
どのには
當市
(
たうし
)
お
構
(
かま
)
ひの
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
となり、ヂュリエットどのゝ
悲歎
(
ひたん
)
の
種
(
たね
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
思ひ
行末
(
ゆくすゑ
)
を案じけるに今迄一點の罪を
犯
(
をか
)
せし事もなきに斯る
無實
(
むじつ
)
の罪を
請
(
うけ
)
て
刄
(
やいば
)
に
懸
(
かゝ
)
り
非業
(
ひごふ
)
の
最期
(
さいご
)
を
遂
(
と
)
げ五體を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
僕も
本所
(
ほんじよ
)
に住んでゐたとすれば、恐らくは
矢張
(
やは
)
りこの
界隈
(
かいわい
)
に火事を避けてゐたことであらう。従つて又僕は勿論、僕の家族も彼等のやうに
非業
(
ひごふ
)
の最後を遂げてゐたかも知れない。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
此世に
只
(
た
)
だ伯母一人
姪
(
をひ
)
一人と云ふのぢや無いか、——亭主には婚礼もせずに
逝
(
ゆ
)
かれる、お前の
阿父
(
おとつさん
)
は
彼
(
あ
)
の様な
非業
(
ひごふ
)
な最後をする、天にも地にも頼るのはお前ばかりのだ——まあ、之を御覧よ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
遂
(
つひ
)
に
非業
(
ひごふ
)
の
最後
(
さいご
)
を
遂
(
と
)
げるのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
男前も平凡、物言ひも尋常、親方の萬兵衞の
非業
(
ひごふ
)
の死の前にも一番冷靜に取りすましてゐるのはこの男でした。
銭形平次捕物控:185 歩く死骸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ヂュリ さ、
速
(
はや
)
う
去
(
いな
)
しゃれ、
予
(
わし
)
は
去
(
いな
)
ぬほどに。……こりゃ
何
(
なん
)
ぢゃ?
戀人
(
こひゞと
)
が
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
りゃったは
盃
(
さかづき
)
か? さては
毒
(
どく
)
を
飮
(
の
)
んで
非業
(
ひごふ
)
の
最期
(
さいご
)
をお
爲
(
し
)
やったのぢゃな。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
送る家業故
機
(
をり
)
に
觸
(
ふれ
)
ては
定業
(
ぢやうごふ
)
にて病ひの爲に死す人を見てゐるさへも不便なるにまして
非業
(
ひごふ
)
の死を遂る有樣は
嘸々
(
さぞ/\
)
恐
(
おそ
)
ろしき事ならん
拙者
(
せつしや
)
のやうに氣の
弱
(
よわ
)
き者などは見たばかりでも氣を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
金助町の浪宅に行くと、あれほど眞四角に取濟した大瀧清左衞門も、彌次馬や土地の安岡つ引に包圍されて、娘の
非業
(
ひごふ
)
を悲しむ暇もなく、たゞうろ/\して居りました。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
御
取捨
(
とりすて
)
に相成家財は私し
母子
(
おやこ
)
へ下し置れ候間其後私し儀は
店請人
(
たなうけにん
)
清右衞門方へ
悴
(
せがれ
)
倶々
(
とも/″\
)
引取り同人の世話にて當時の所へ
借宅仕
(
しやくたくつかま
)
つり幼少の悴道之助兩人にて八ヶ年來
住居
(
ぢうきよ
)
罷
(
まか
)
り
在
(
あり
)
年來夫道十郎事
非業
(
ひごふ
)
の死を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
子等
(
こら
)
が
非業
(
ひごふ
)
に
果
(
は
)
てぬるまでは
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
七郎兵衞の娘のお
小夜
(
さよ
)
といふのは、八五郎が吹聽した娘で、まだ十八といふ、子供らしさの拔けきれない可愛らしさで、すつかり泣き崩れて居りますが、母親の
非業
(
ひごふ
)
の死とは
銭形平次捕物控:277 和蘭の銀貨
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あんなのはきつと佛樣の罰で
非業
(
ひごふ
)
の最期を途げるに違ひない。もしも佛樣が寛大で何時までも放つて置くなら、他ならぬこの大垣村右衞門が成敗してやる——つて言つてゐたんださうで
銭形平次捕物控:130 仏敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
たつた一人子の
非業
(
ひごふ
)
の死にあつて、ひどく打ちひしがれたらしく、口に出してはいひませんが、妙なところでひどく考へ込んだり、急に齒ぎしりをしたり、飛んでもない時はしやいで見たりするのを
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“非業”の意味
《名詞》
非業(ひごう)
(仏教)前世の業の報いに寄らないこと。特に、横死や夭逝といった災禍に思いがけずあうこと。
(出典:Wiktionary)
非
常用漢字
小5
部首:⾮
8画
業
常用漢字
小3
部首:⽊
13画
“非業”で始まる語句
非業無慚