ずい)” の例文
旧字:
ことに、山城守は、おのが部下のずい一を斬って逃げて、その後も、自分を愚弄ぐろうするがごとき神尾喬之助の態度に、躍起やっきとなっている。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
王子路考おうじろこう」のは、しもされもしない、当代とうだいずい一の若女形わかおやままって、ものんであろうと菊之丞きくのじょう芝居しばいとさえいえば、ざればはじごと有様ありさまとなってしまった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
みんな旧藩きゅうはん関係だからご家来けらいだ。ご家来でなければ先生になれない。そのうち安斉あんざいさんという老人が指導主事として采配さいはいをふるっている。この先生はご家中かちゅうずい一の漢学者で、評判ひょうばんのやかまし屋だ。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
『伝右どの、又、面白い話が出ましたぞ。こんどのは、惚気でなくて、艶聞えんぶんです。——この中で一番若うて、ずい一の美男の磯貝十郎左が、ゆうべ源五右衛門殿に、寝言ねごとを聞かれたそうでござる』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
殿中ずい一の雷おやじとして怖がられている大目附近藤相模守茂郷しげさとが、そこへ来かかっているのだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
当時とうじ江戸えどの三人女にんおんなずい一とった、おせんのはだられるなら、われようが、むしされようが、すこしもいとうことじゃァない、きな煙草たばこつつしむし、こえ滅多めったすまいから
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「おそらく都門ずい一の見事な髯だろう」と、いわれていた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)