釣上つりあ)” の例文
そりゃ同じ所に住んでるから、緋鯉にくが当前あたりまえだけれどもね、君が、よくお飯粒まんまつぶで、糸で釣上つりあげちゃ投げるだろう。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あららげて打すゑると雖も知らぬとばかりゆゑ掃部は茂助になはを取てきたれと言に茂助は臺所より荒繩あらなは持來もちきたりければ和尚を高手たかて小手こてしばはり釣上つりあたきゞを以て散々さん/″\打てば和尚は眼を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それゆえ、念に掛けて笑うまいとはしながら、おかしくて、おかしくて、どうもたまらず、唇を噛締かみしめ、まゆ釣上つりあげ、真赤になッてもこらえ切れず、つい吹出して大事の大事の品格を落してしまう。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そりやおなところんでるから、緋鯉ひごひくが當前あたりまへだけれどもね、きみが、よくお飯粒まんまつぶで、いと釣上つりあげちやげるだらう。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はしらのやうにつたとおもふと、ちやうどおほきさにえました、つめいなづまのやうなてのひらひらいて、をんなたちのかみうへ仙人せんにんあし釣上つりあげた、とますと、天井てんじやうが、ぱつと飛散とびちつて、あとはたゞ黒雲くろくもなか
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)