野蠻やばん)” の例文
新字:野蛮
若し私がこんなに彼を愛してゐないのだつたら、有頂天うちやうてんになつた彼の傍に坐つて、彼の語調や樣子を、野蠻やばんだと思つたかもしれない。
野蠻やばん時代じだいでもうつくしい石材せきざい地方ちほうから輸入ゆにゆうして使用しようしたことがあるばかりでなく、燧石ひうちいしだとか、黒曜石こくようせきのようなものでも、その地方ちほうさんしない場合ばあひ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
それは前髮姿の、良い男の杵太郎でなければならない筈ですが、何んと、南部駒なんぶごまのやうに強健で、天城山から生捕つた、野猪ゐのししのやうに野蠻やばんな八五郎ではありませんか。
何故なぜなら、そのころ、さういふ野蠻やばん戰慄せんりつすべきうはさが、世間せけんやかましくつたはつてゐたからだ。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
あいちやんは、夫人ふじんかる快活くわいくわつ氣性きしやうになつたのをはなはよろこび、あの厨房だいどころ出逢であつたときに、夫人ふじん彼麽あんな野蠻やばんめいたことをしたのは、まつた胡椒こせう所爲せゐであつたのだとおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
あいちやんはまつた其動物そのどうぶつ容子ようすこのみませんでしたが、それでもだあの野蠻やばん女王樣ぢよわうさまあといてくよりは、それとともとゞまつてはういく安全あんぜんだかれないとおもひました
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
奧方は今を時めく老中、酒井左衞門のじようの息女で、一も二もなく權門けんもんの威勢に押されてゐる土佐守が、こんな野蠻やばんで下品で、その癖滅法可愛らしい娘を、見たことも想像したこともありません。
なん野蠻やばんことでせう!』とあいちやんがさけびました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)