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重々
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じゅうじゅう
ふりがな文庫
“
重々
(
じゅうじゅう
)” の例文
泣き声も次第に細るばかり、その夜の十一時五分ほど前には、ついに息を引き取り候。その時の私の悲しさ、
重々
(
じゅうじゅう
)
御察し下され
度
(
たく
)
、……
母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ぽんと手を拍ち「なるほどなあ、持つべきものは女房だ、先ほどから段々の御神さんの御異見、
重々
(
じゅうじゅう
)
恐れ入りました」と手を
突
(
つき
)
てあやまり
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
「
不肖
(
ふしょう
)
、
奉行
(
ぶぎょう
)
の身をもって、
混乱
(
こんらん
)
のなかとはいえ、
過激
(
かげき
)
に
似
(
に
)
たことばを
発
(
はっ
)
したのは、
重々
(
じゅうじゅう
)
なあやまり、どうかお気持をとりなおしていただきたい」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何とも申訳ありません。実は思いがけないことで取り乱した形です。今朝も家内を呶鳴りつけて出て来たんです。
重々
(
じゅうじゅう
)
失礼の段平に御勘弁下さい」
四十不惑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その点は本人にも十分申しきかせましょうし、諸先生方にも
重々
(
じゅうじゅう
)
おわび申上げなければならないと存じています。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
お前の心さえとりなおせば向うではきっと仔細はないのだよ。なあ省作、今お前に戻ってこられるとそっちこちに面倒が多い事は、お前も
重々
(
じゅうじゅう
)
承知してるじゃねいか
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
今更おもえば
重々
(
じゅうじゅう
)
の心得ちがいで、それがためにおふくろが殺されるようにもなったのでございます。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その小山さんの
真価
(
ねうち
)
を悟らないでかえって不平をいうとは
重々
(
じゅうじゅう
)
和女の
不埒
(
ふらち
)
だ
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「いや、今までのところはわしがあやまる。
重々
(
じゅうじゅう
)
悪かった——お艶にのみ気を取られて、貴公はさぞかし
腑
(
ふ
)
甲斐ないやつと思ったことであろうが、今後は源十郎、貴公の右腕ともなって……」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
いかにも
不断
(
ふだん
)
から師匠思いのお前さん故さぞ御心配の事だろうと
重々
(
じゅうじゅう
)
お察し申します。
私
(
わし
)
なぞは申さば柳亭翁とは一身同体。今日
此頃
(
このごろ
)
では五渡亭国貞といえば世間へも少しは顔の売れた浮世絵師。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
重々
(
じゅうじゅう
)
の不とどき。小六めはただちに打首ともぞんじましたが、その者の郷里桐山村には老母もおります。かたがた、罪は家来より弟正季にあるもの。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、勿論そう言っているんです。御厚意は
重々
(
じゅうじゅう
)
感謝しますけれども、判事の感情を害すると、
反
(
かえ
)
って御厚意に
背
(
そむ
)
きますからと頭を下げて頼んでいるんです。」
冬
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
下男の密告は単にそれだけに過ぎないが、考えてみると、不審は
重々
(
じゅうじゅう
)
であると言わなければならない。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
重々
(
じゅうじゅう
)
悪かった。しかし源太郎や、職業には上等と下等とがある。お前は上等の方をやるんだぞ」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
易風社はその以前謝礼として壱百円を贈り来りしが発売禁止となるも博文館の如く無法なる談判をなさざる故わが方にても
重々
(
じゅうじゅう
)
気の毒になりいそぎ『荷風集』一巻の原稿をつぐなひとして送りけり。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「この
唖
(
おし
)
めが!」と、呉用はまず李逵を叱っておいて「
重々
(
じゅうじゅう
)
、すみませんでした。きっと
折檻
(
せっかん
)
してくれます。どうかこれで一つ、ご養生でもなすッて」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おれは貴様が独りでいるのを憐れんで、話し相手に子供を出してやると、飛んでもない怪我をさせた。
重々
(
じゅうじゅう
)
不埒
(
ふらち
)
な奴だ。その罪を
糺
(
ただ
)
して胴斬りにするから覚悟しろ」
中国怪奇小説集:05 酉陽雑爼(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あの高札の文句を書いたものは自分だと
重々
(
じゅうじゅう
)
承知しながら、それでも恵印は次第次第に情けない気もちが薄くなって、自分も叔母の尼と同じように飽かず池の
面
(
おもて
)
を眺め始めました。
竜
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と千吉君も
重々
(
じゅうじゅう
)
心得ている。そうして格子戸を明けて
跨
(
また
)
ぎかけたが
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
保吉はとうとう
癇癪
(
かんしゃく
)
を起した。父さえ彼の癇癪には
滅多
(
めった
)
に
戦
(
たたかい
)
を
挑
(
いど
)
んだことはない。それはずっと
守
(
も
)
りをつづけたつうやもまた
重々
(
じゅうじゅう
)
承知しているが、彼女はやっとおごそかに道の上の秘密を説明した。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
……だけど、あまりといえば憎い奴——悪い代官——それにおれが恩人とも思っている山吹さまを、
酷
(
ひど
)
い
目
(
め
)
にあわすので、つい
復讐
(
しかえし
)
をしてやる気になったんです、悪いことは
重々
(
じゅうじゅう
)
知っておりましたが
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ウーム、それも
重々
(
じゅうじゅう
)
拙者
(
せっしゃ
)
が悪かった、ひらにあやまる」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「は、はい。
重々
(
じゅうじゅう
)
」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「は。……
重々
(
じゅうじゅう
)
」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
重
常用漢字
小3
部首:⾥
9画
々
3画
“重々”で始まる語句
重々畳々