里見さとみ)” の例文
もって、く最近のことですが、大学の理科主任教授里見さとみ先生立会たちあいの上、例の容疑者三名について興奮曲線を取り直してみたのです
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
まゐりましたところ堺町さかひちやうでうきたまちといふ、大層たいそうづかしい町名ちやうめいでございまして、里見さとみちうらうといふ此頃このごろ新築しんちくをした立派りつぱうち
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
その顔がいまだにどうかすると、はつきり記憶に浮ぶ事がある。里見さとみ君の所謂いはゆる一目惚ひとめぼれとは、こんな心もちを云ふのかも知れない。(二月十日)
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
京橋の大根河岸だいこんがしあたりだったと思う、鏡花のひいきにしている鳥屋があって、鏡花、里見さとみ芥川あくたがわ、それに私と四人で鳥なべを突ッついたことがあった。
文壇昔ばなし (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
いてる……二時半にじはんだ。……やがて、里見さとみさんの眞向まむかうの大銀杏おほいてふるだらう。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたくしから殿のお耳に入れた儀も——里見さとみ大内おおうちなどの諸家の城には天守があるということも——いつか宿直とのいの折、光秀どのから詳しく伺ったおはなしを、お伝えいたしたに過ぎません
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊達だて上杉うえすぎや、北条ほうじょう里見さとみなどの諸勢力にねらわれることを怖れ、佐竹の翼下に庇護ひごを乞うた人々である。佐竹が秋田へ移封されるに当って、もし随身しなければ改易離散に及ぶ運命にあったのだ。
三十二刻 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
二、里見さとみ君の「蚊遣かやり」もまた十月小説中の白眉はくびなり。唯いささ末段まつだんに至つて落筆匇匇そうそううらみあらん。他は人情的か何か知らねど、不相変あひかはらず巧手かうしゆの名にそむかずと言ふべし。
病牀雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
客 ぢや君は問題になつた里見さとみ氏の説にも菊池きくち氏の説にも部分的には反対だと云ふのかね。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「いや、難有ありがとう。帰ったら里見さとみ君に、よろしく云ってくれ給え。」
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)