身元みもと)” の例文
それから早速さっそくひとたのんで、だんだん先方せんぽう身元みもとしらべてると、生憎あいにくおとこほう一人ひとり息子むすこで、とても養子ようしにはかれない身分みぶんなのでした。
「じゃあ帰してやりましょう。警察の者を二三人附きわしてやって下さい。然し一応身元みもと調べをすましたんでしょうな?」
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
其方儀そのはうぎ重四郎を同宿大津屋ゆう方へ入夫致させ候せつ身元みもとをもたゞさず世話致し候段不行屆ふゆきとゞきに付過料くわれうとしてぜに三貫文申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いずれもその初頭に鼠の素性すじょう、それがこの世に現われた来由を説くことは同じで、相手の身元みもとをよく知っているということが、すなわち彼らを制圧する力であるとする
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それでも同益社どうえきしやでは石橋いしばし身元みもとを知つてるから強い督促とくそくず、続いて出版を引受ひきうけてたのです、の雑誌は廿にぢう一年の五月廿にぢう五日の出版しゆつぱんで、月二回の発行で、これも九がうまで続いて
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一々書留かきとめて道庵を歸しなほ種々しゆ/″\工風くふうの上先八丁堀長澤町の自身番屋じしんばんやゆき家主いへぬし源兵衞を呼出し店子たなこ甚兵衛の身元みもと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いずれにしても相手の身元みもとを詳しく知っているということが、法術または祭儀の効果を確実にする古来の手段であることを知って、それを適用していることは同じであり
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
身元みもと長谷部某はせべなにがし出入でいりの徒士かぢの、たしか二番目ばんめむすめだったかとおぼえてります。