はしり)” の例文
ぞ出帆したり追々おひ/\かぜも少し吹出ふきいだ眞帆まほを七分に上てはしらせハヤ四國のなだを廻りおよそ船路ふなぢにて四五十里もはしりしと思ふ頃吉兵衞はふねみよしへ出て四方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「むむ、それもそうさの。わっしも信心をすみが、おめえもよく拝んで御免こうむって来ねえ。廓どころか、浄閑寺の方も一はしりいぜ。とてもひとりじゃ遣切やりきれねえ、荷物はたしかに預ったい。」
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「なあんだ、いま時分じぶん、おつきさまがているよ。」と、はしりりながら、わらいました。
昼のお月さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
させさらばとて西濱の港より友綱ともつなとき順風じゆんぷう眞帆まほ十分に引上ひきあげ走らせけるにぞ矢をる如く早くも中國四國の内海ないかい打過うちすぎ晝夜の差別さべつなくはしり晦日みそかの夜のこくごろとは成れり船頭せんどう杢右衞門はやうや日和ひより
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)