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赤瓦
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あかがわら
ふりがな文庫
“
赤瓦
(
あかがわら
)” の例文
ドイツでは行っても行っても
洪積期
(
こうせきき
)
の砂地のゆるやかな波の上にばらまいた
赤瓦
(
あかがわら
)
の小集落と、キーファー松や
白樺
(
しらかば
)
の森といったような景色が多い。
連句雑俎
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
キャラコさんは、ひろい
茅原
(
かやはら
)
のなかに
点綴
(
てんてつ
)
するアメリカ村の
赤瓦
(
あかがわら
)
を眺めながら、
精進湖
(
しょうじこ
)
までつづく
坦々
(
たんたん
)
たるドライヴ・ウェイをゆっくりと歩いていた。
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ぱらりと開けてわずかな緑地が見えてサラリイマンの住宅らしい
赤瓦
(
あかがわら
)
の小さな屋根が、ちらりほらり見える。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
現に彼が持っていた郊外の或地面などは
生姜
(
しょうが
)
さえ
碌
(
ろく
)
に出来ないらしかった。けれども今はもう
赤瓦
(
あかがわら
)
の家や青瓦の家の立ち並んだ
所謂
(
いわゆる
)
「文化村」に変っていた。………
玄鶴山房
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
白っぽい石壁に
赤瓦
(
あかがわら
)
を置いた、そこらに多い建物のひとつで、這入ると、正面の廊下を挟んで左右に幾つも小さな部屋が並んでた。それがみんないわゆる
歌留多
(
かるた
)
場だった。
踊る地平線:08 しっぷ・あほうい!
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
▼ もっと見る
郊外らしい空気につつまれた対岸の傾斜には、ところどころに別荘風な
赤瓦
(
あかがわら
)
の屋根も望まれた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
津和野に入ると
石見
(
いわみ
)
に入ったという想いがする。なぜなら緑の山や森の背景に
赤瓦
(
あかがわら
)
が急に輝き出すからである。それは自然をかえ建築をかえる。こればかりは他の国々では見られない。
雲石紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
そうそう
私
(
わたくし
)
はツイ
近頃
(
ちかごろ
)
不図
(
ふと
)
した
機会
(
おり
)
に、こちらの
世界
(
せかい
)
から一
度
(
ど
)
鎌倉
(
かまくら
)
を
覗
(
のぞ
)
いて
見
(
み
)
ましたが、
赤瓦
(
あかがわら
)
や
青瓦
(
あほがわら
)
で
葺
(
ふ
)
いた
小
(
ちい
)
さな
家屋
(
かおく
)
のぎっしり
建
(
た
)
て
込
(
こ
)
んだ、あのけばけばしさには、つくづく
呆
(
あき
)
れて
了
(
しま
)
いました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
前が低い
生垣
(
いけがき
)
になっている、
赤瓦
(
あかがわら
)
に白壁の文化住宅式の小さな二階家で、ただ「奥畑」とだけ記した表札が上っていたが、表札の木が新しかったのを見ると、極く最近に移って来られたのであろう。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼はその石垣の上からしばらく自分の宿とする田舎家までも見ることは出来なかったまでも、耕地の多い対岸の傾斜に並ぶ仏蘭西の田舎らしい
赤瓦
(
あかがわら
)
の屋根を望むことは出来た。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
至るところの新緑と
赤瓦
(
あかがわら
)
の家がいかにも美しい。高い
崖
(
がけ
)
の上の家に
藤棚
(
ふじだな
)
らしいものが咲き乱れているのもあった。やがてロンバルディの平原へ出る。桑畑かと思うものがあり、また麦畑もあった。
旅日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
藤棚
(
ふじだな
)
が、
藤蔓
(
ふじづる
)
の
絡
(
から
)
んだ棚の部分だけ地面とすれすれに残ってい、その傍に流木が二三本積み重なったまま動かなくなっていたが、その時思いがけなくも、住宅の
赤瓦
(
あかがわら
)
の屋根の上に、妙子と、板倉と
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
出雲人は
怜悧
(
れいり
)
、石見人は
剛直
(
ごうちょく
)
、こう古書にも書いてあるという、同じ県下の国ではあるが、自然も人間も異なると見える、車が波根を過ぎて田儀に進めば国境である、見れば
赤瓦
(
あかがわら
)
の
石州
(
せきしゅう
)
は早くも終り
雲石紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
新緑のあざやかな中に
赤瓦
(
あかがわら
)
白壁
(
しらかべ
)
の別荘らしい建物が排置よく入り交じっている。そのような平和な景色のかたわらには切り立った懸崖が物すごいような地層のしわを露出してにらんでいたりする。
旅日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
赤
常用漢字
小1
部首:⾚
7画
瓦
常用漢字
中学
部首:⽡
5画
“赤”で始まる語句
赤
赤児
赤子
赤蜻蛉
赤裸
赤銅
赤煉瓦
赤毛布
赤城
赤飯