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複雑
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こみい
ふりがな文庫
“
複雑
(
こみい
)” の例文
旧字:
複雜
それは、
昔
(
むかし
)
鎌倉
(
かまくら
)
の
奥山
(
おくやま
)
でよくきき
慣
(
な
)
れた
時鳥
(
ほととぎす
)
の
声
(
こえ
)
に
幾分
(
いくぶん
)
似
(
に
)
たところもありますが、しかしそれよりはもッと
冴
(
さ
)
えて、
賑
(
にぎや
)
かで、そして
複雑
(
こみい
)
った
音色
(
ねいろ
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
是寺
(
このてら
)
の広く
複雑
(
こみい
)
つた
構造
(
たてかた
)
といつたら、
何処
(
どこ
)
に
奈何
(
どう
)
いふ人が泊つて居るか、其すら
克
(
よ
)
くは解らない程。
平素
(
ふだん
)
は何の役にも立ちさうも無い、陰気な明間がいくつとなく有る。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
弾正橋から白魚橋へ曲ろうとする地形の
複雑
(
こみい
)
った場所なぞでは、一度ならず二度三度、甚右衛門は駈け戻って来て、氷のように冷い鼻頭を彦の脚へ擦りつけたり、邪魔になるほど
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
このあいだの晩、お鉄が両国橋の上をさまよっていたのも、身投げや心中というほどの
複雑
(
こみい
)
った問題でもなく、あるいは単に
逢曳
(
あいび
)
きの約束をきめて、あすこで男を待ち合わせていたのかも知れない。
半七捕物帳:37 松茸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「だいぶ、
複雑
(
こみい
)
った話になりましたな。それで?」
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
人間
(
にんげん
)
の
世界
(
せかい
)
は、
主従
(
しゅじゅう
)
、
親子
(
おやこ
)
、
夫婦
(
ふうふ
)
、
兄弟
(
きょうだい
)
、
姉妹等
(
しまいなど
)
の
複雑
(
こみい
)
った
関係
(
かんけい
)
で、
色
(
いろ
)
とりどりの
綾模様
(
あやもよう
)
を
織
(
お
)
り
出
(
だ
)
して
居
(
お
)
りますが、
天狗
(
てんぐ
)
の
世界
(
せかい
)
はそれに
引
(
ひ
)
きかえて、どんなにも一
本
(
ぽん
)
調子
(
ちょうし
)
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
未
(
ま
)
だ
初心
(
うぶ
)
で、
複雑
(
こみい
)
つた
社会
(
よのなか
)
のことは一向解らないものばかりの
集合
(
あつまり
)
ではあるが、
流石
(
さすが
)
正直なは少年の心、鋭い神経に丑松の
心情
(
こゝろもち
)
を汲取つて、何とかして引止める工夫をしたいと考へたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
あまり
多愛
(
たあい
)
のないお
話
(
はなし
)
ばかりつづきましたので、
今度
(
こんど
)
は
少
(
すこ
)
しばかり
複雑
(
こみい
)
ったお
話
(
はなし
)
……一つ
願掛
(
がんか
)
けのお
話
(
はなし
)
を
致
(
いた
)
して
見
(
み
)
ましょう。この
願掛
(
がんか
)
けにはあまり
性質
(
たち
)
の
良
(
よ
)
いのは
少
(
すくな
)
うございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
複
常用漢字
小5
部首:⾐
14画
雑
常用漢字
小5
部首:⾫
14画
“複雑”で始まる語句
複雑深刻