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衷心
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ちうしん
ふりがな文庫
“
衷心
(
ちうしん
)” の例文
「おとつゝあ、そんでもちつた
確乎
(
しつかり
)
してか」
勘次
(
かんじ
)
は
其
(
そ
)
の
尾
(
を
)
に
跟
(
つ
)
いて
聞
(
き
)
いた。ほつと
息
(
いき
)
をついたやうな
容子
(
ようす
)
は
勘次
(
かんじ
)
の
衷心
(
ちうしん
)
からの
悦
(
よろこ
)
びであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
我々は天の橋立に大敵と戦ふ重太郎には
衷心
(
ちうしん
)
の不安を禁ずることは出来ぬ。けれども衆議院の演壇に大敵と戦ふ後藤子爵には至極に冷淡に構へられるのである。
僻見
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼は自分の目的の偉大なこと、善きことを
衷心
(
ちうしん
)
から感じてゐるのであつた。彼がそれを辯護するのを聞いた他の人々も、同じやうに、さう感ぜずにはゐられなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
又一方から見ると
作者
(
さくしや
)
の
愛
(
あい
)
が
實際
(
じつさい
)
にその
衷心
(
ちうしん
)
から
滲
(
にじ
)
み出てゐる例へば「小さき者へ」の中に於ける、子供に對する主人公の
愛
(
あい
)
といつたやうな場合には、そこに
釀
(
かも
)
されてゐる
實感
(
じつかん
)
の強さから
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ホテル
前
(
まえ
)
へ
差
(
さ
)
しかゝつたとき、
夫人
(
ふじん
)
は
衷心
(
ちうしん
)
からそれを
切望
(
せつぼう
)
するやうに
言
(
い
)
つた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
この
點
(
てん
)
に
向
(
むか
)
つては
我輩
(
わがはい
)
は
衷心
(
ちうしん
)
歡喜
(
くわんき
)
を
禁
(
きん
)
じ
得
(
え
)
ぬのである。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
「それぢやお
前
(
まへ
)
、まあ
此
(
この
)
錢
(
ぜに
)
を
藏
(
しま
)
つたらどうだね」と
内儀
(
かみ
)
さんが
促
(
うなが
)
したのであつた。
衷心
(
ちうしん
)
から
困
(
こま
)
つたやうな
彼
(
かれ
)
に
向
(
むか
)
つて
内儀
(
かみ
)
さんはもう
追求
(
つゐきう
)
する
力
(
ちから
)
を
有
(
もた
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「おつう
俺
(
お
)
らとつても
今度
(
こんだあ
)
駄目
(
だめ
)
だよ」
勘次
(
かんじ
)
は
果敢
(
はか
)
ない
自分
(
じぶん
)
の
心持
(
こゝろもち
)
を
唯
(
ゆゐ
)
一の
家族
(
かぞく
)
であるおつぎの
身體
(
からだ
)
へ
投
(
な
)
げ
掛
(
か
)
けるやうに
萎
(
しを
)
れ
切
(
き
)
つていつた。
勘次
(
かんじ
)
は
衷心
(
ちうしん
)
から
恐怖
(
きようふ
)
したのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
“衷心”の意味
《名詞》
衷 心(ちゅうしん)
心の奥底。
(出典:Wiktionary)
衷
常用漢字
中学
部首:⾐
9画
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
“衷”で始まる語句
衷
衷情
衷甸
衷裡
衷甸両牡
衷甸兩牡