おとろへ)” の例文
まだその頃は汝等のウッチェルラトイオもモンテマーロにまさらざりき——今そのさかえのまさるごとく、この後おとろへもまたまさらむ 一〇九—一一一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
よはひはなほ六十に遠けれど、かしらおびただし白髪しらがにて、長く生ひたるひげなども六分は白く、かたちせたれどいまだ老のおとろへも見えず、眉目温厚びもくおんこうにしてすこぶ古井こせい波無きの風あり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
たい医者殿いしやどののつけやうがなくつて、おとろへをいひてに一にちばしにしたのぢやが三つと、あにのこして、克明こくめい父親てゝおや股引もゝひきひざでずつて、あとさがりに玄関げんくわんから土間どま
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かくてあなおとろへのもののいろそらは暮れ初む。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
満枝は如何なる人かとちらと見るに、白髪交しらがまじりのひげは長く胸のあたりに垂れて、篤実の面貌痩おもざしやせたれどもいやしからず、たけは高しとにあらねど、もとよりゆたかにもあらざりし肉のおのづかよはひおとろへに削れたれば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
おとろへににほふおしろひの厚き化粧けはひ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
疲れくるめくおとろへぞああしぼる。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)