荒仕事あらしごと)” の例文
その中でも牛馬をって代起しろおこしや整地をするところでは、女性が稲を栽培するということは、ほとんと断念すべき荒仕事あらしごとであった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
とらんには刺殺さしころして物にせんか縊殺しめころしてくれんかと立たり居たりして見ても流石さすがに自分の居宅きよたくにて荒仕事あらしごと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
荒仕事あらしごとと山にはれきった者ばかり、手に手にたかのくちばしのように光る鉱石槌かなづちを持ち、木の根にひっかけ、がけによじ、清水しみず岩脈がんみゃくのかたちをさっして、それらしい所をさがしまわっているうちに
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それよりものよくつんだ丈夫向じょうぶむきの、ちっとやそっとの荒仕事あらしごとでは、すぐに糸が片寄ってしまわぬようなのを賞美したのだが、それでも女の子はいて知っているので
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
三人よれ文珠もんじゆさへ授けぬ奸智かんち智慧袋ちゑぶくろはたいたそこやぶれかぶれ爲術せんすべつき荒仕事あらしごと娘にあはすと悦ばせて誘引おびき出すは斯々と忽ちきまる惡計にさしさゝれつ飮みながらとは云ふものゝまくは餘り感心かんしんせぬ事成れば姉御あねごと己とくじにせんと紙縷こよりひねつて差出せばお定は引て莞爾につこりわら矢張やつぱり兄貴あにきが當り鬮と云はれて三次は天窓あたま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)