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胡散臭
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うさんくさ
ふりがな文庫
“
胡散臭
(
うさんくさ
)” の例文
渠は唸る様な声を出して、ズキリと立止つて、
胡散臭
(
うさんくさ
)
く対手を見たが、それは渠がよく遊びに行く郵便局の小役人の若い細君であつた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
皺だらけの手を取つて無理に振ると、お元は迷惑さうにその手を引つ込めて、
胡散臭
(
うさんくさ
)
くお銀の顏を上眼使ひに見上げるのでした。
銭形平次捕物控:175 子守唄
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
人猿は四方から集まって来てひしひしと荷車を取り囲み
胡散臭
(
うさんくさ
)
い眼付きで私を見た。その時私は一掴みの焼き肉を後方目掛けて投げつけた。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
が、警部は最初から苦り切っていて、ろくに口もきかず、
胡散臭
(
うさんくさ
)
げに
支配人
(
バー・テン
)
のすること
為
(
な
)
すことを、ジロジロ
覗
(
うかが
)
っていた。
銀座幽霊
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
女は座席に
即
(
つ
)
くと悠々小田島のシガレットケースから
煙草
(
たばこ
)
を
抽
(
ひ
)
き出してふかし始めた。そして
胡散臭
(
うさんくさ
)
そうに女を見乍ら
誂
(
あつらえ
)
を聞く給仕男へ横柄に
ドーヴィル物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
駅前にあった古着屋の
暖簾
(
のれん
)
をくぐり、交渉したが、古着屋の
主
(
あるじ
)
は私の方を
胡散臭
(
うさんくさ
)
そうに見て、買うわけにはいかないということを大阪弁で云った。
遁走
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
けれどもこの時
御寮人
(
ごりょうにん
)
の前へ呼ばれた佐助の態度がオドオドして
胡散臭
(
うさんくさ
)
いのに不審が加わり
問
(
と
)
い
詰
(
つ
)
めて行くと
辻褄
(
つじつま
)
の合わないことが出て来て実はそれを
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
けれどむろんそこに文素玉の影もあろう筈がなく、ただ道行く人が一人
胡散臭
(
うさんくさ
)
そうに立ち止って彼の姿を眺めていた。くそ忌々しいと彼は再び口に出して呟いた。
天馬
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
お祖母さんは、まだ
胡散臭
(
うさんくさ
)
そうに、次郎の顔と、散らかった品物とを見
較
(
くら
)
べていたが、ふと思いついたように、長持のそばに寄って行って、その中を覗きこんだ。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
彼等
(
かれら
)
の中には
熊手
(
くまで
)
を動かしていた手を休めて私の方を
胡散臭
(
うさんくさ
)
そうに見送る者もあった。私はそういう気づまりな視線から逃れるために何度も道もないようなところへ
踏
(
ふ
)
み込んだ。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
奥から主人らしい男が仏頂面をして出て来て、
胡散臭
(
うさんくさ
)
そうに渡辺刑事を見た。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
オランダへもベルギーへも
遣
(
や
)
らずに、
ロンドン警視庁
(
スコットランド・ヤアド
)
特高
(
とっこう
)
課長ベイジル・タムスン卿の手で、
胡散臭
(
うさんくさ
)
いやつだというので、フォルマス港からこっそりとんでもないスペインへ追放してしまう。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
「アナヒ……、ふむ、なるほど。……道理で
胡散臭
(
うさんくさ
)
いと思ったよ」
金狼
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
彼は突然
胡散臭
(
うさんくさ
)
い人間に
挨拶
(
あいさつ
)
をされたような顔をした。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
医者はかう言つて、牧師のやうに
胡散臭
(
うさんくさ
)
い顔をした。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
逢ふほどの男女は、
皆
(
みな
)
胡散臭
(
うさんくさ
)
い眼をして二人を見た。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「ヒャッ」と云うと振り返ったが、「何かご用でごぜえますかな?」
胡散臭
(
うさんくさ
)
そうに伊集院を見る。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
繼穗
(
つぎほ
)
もなくヌツと出たのは、南部坂下屋敷の裏門を預かる老爺、今まで手内職をして居たらしい埃を拂つて、凡そ
胡散臭
(
うさんくさ
)
さうにガラツ八の
間伸
(
まのび
)
のした顏を眺めやるのでした。
銭形平次捕物控:025 兵粮丸秘聞
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『ぢやモウ、
病床
(
とこ
)
に就いたの?』と低目に言つて、
胡散臭
(
うさんくさ
)
い眼付をする。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
かの女は醜悪そのもののような
恰好
(
かっこう
)
で私の方を
胡散臭
(
うさんくさ
)
そうに見ている
鳥料理
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
大して
胡散臭
(
うさんくさ
)
いこともないじゃないか、と自分に云ってみました。
わが師への書
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
仙吉は始終の様子を
胡散臭
(
うさんくさ
)
い顔をして見て居たが
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
一度は或る没落した家の婆さんが
胡散臭
(
うさんくさ
)
そうに
土城廊
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
胡散臭
(
うさんくさ
)
いなという眼が小林の
眉
(
まゆ
)
の下で輝やいた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
継穂
(
つぎほ
)
もなくヌッと出たのは、南部坂下屋敷の裏門を預かる
老爺
(
おやじ
)
、今まで手内職をしていたらしい
埃
(
ほこり
)
を払って、およそ
胡散臭
(
うさんくさ
)
そうにガラッ八の間伸びのした顔を眺めやるのでした。
銭形平次捕物控:025 兵糧丸秘聞
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
胡
漢検準1級
部首:⾁
9画
散
常用漢字
小4
部首:⽁
12画
臭
常用漢字
中学
部首:⾃
9画
“胡散”で始まる語句
胡散
胡散気