素焼すや)” の例文
旧字:素燒
「あたしは、すみれをはちうつしてやりましょう。」と、竹子たけこさんはいって、すみれをば地面じめんからはなして、素焼すやきのはちなかうつしました。
つばきの下のすみれ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「は」と才蔵は立ち上がりそのまま奥へ引っ込んだが、間もなく素焼すやきのかめを持って静かに再び現われた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おおどしよりのお祖父じいさんは、とうとう、ストーブのうしろのすみっこへすわらされることになりましたし、むすこ夫婦は、おじいさんの食べるものを、素焼すやきのせともののお皿へりきりにして
わざわざ素焼すやきにしても可、塩焼き、付け焼きともに可。宴会土産みやげの折り詰の焼き魚を利用するなどもねらいである。この雑炊ぞうすいには、薬味やくみねぎにきざんだものを、混合さすことなどは賢明な方法である。
「きっと、うつくしいはなくにちがいない。」と、みんなは、たのしみにして、それをくろ素焼すやきのはちに、別々べつべつにしてえて大事だいじにしておきました。
青い花の香り (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつのまにか、素焼すやきのはちなかにも、にわ花園はなぞのにも、やわらかなつちをやぶって、こはくいろ球根きゅうこんかおせ、太陽たいようをしたって、のびようとするのでした。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、もう、くろ素焼すやきのはちには、うすあかや、ねずみいろひかったていました。
青い花の香り (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうのアネモネのはちは、あかいろ素焼すやきでした。おつのアネモネのわっているはちも、やはりおないろをしていました。へいのアネモネのはちは、くろいろ素焼すやきでありました。この三つのはちならんでいました。
花と人の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)