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たちみ
ふりがな文庫
“
立身
(
たちみ
)” の例文
「何だねえ、お前、
大袈裟
(
おおげさ
)
な。」と
立身
(
たちみ
)
に頭から叱られて、
山姥
(
やまうば
)
に逢ったように、くしゃくしゃと
窘
(
すく
)
んで、松小僧は土間へ
蹲
(
しゃが
)
む。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
せり上げの間は
已
(
すで
)
に柱に歌を書きをはり、
立身
(
たちみ
)
にてやや下手に向き、
墨斗
(
やたて
)
の紐を巻き居る体なり。笠は水盤によせかけあり。
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
二十年来、蔵人に仕えている
老僕
(
おとな
)
の話では、
納戸
(
ぬりごめ
)
の板敷を這って逃げまわるのを、ひと時、
立身
(
たちみ
)
になって冷然と見おろし
無惨やな
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
真竹
(
またけ
)
を
立身
(
たちみ
)
の居合抜く手見せずすぱりずんとぞ切りはなちける
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「ずっと、ずっとずっとこちらへ。」ともう真中へ
座蒲団
(
ざぶとん
)
を持出して、床の間の方へ直しながら、一ツくるりと
立身
(
たちみ
)
で廻る。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
これにて権太びつくりし「何をして居やがるのだ」と
叱
(
しか
)
りつけ「早くいつてさういへ」といひつつ
立身
(
たちみ
)
にて土瓶をとり、茶をついで飲まんとす。
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
段々
馴
(
な
)
れて来てお前さん、この頃じゃあ、
立身
(
たちみ
)
になりましょうと、喧嘩の虫が声を
懸
(
かけ
)
ると、それから明るくなりますぜ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
矢田平が落しし
袱
(
ふくさ
)
を拾ひ、開けて船切手を見「まちや/\、用がある」と呼止め、切手は左の袂に入れ、
立身
(
たちみ
)
にて斜に下手に向ひ、左の袂の手をつつぱり
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
立身
(
たちみ
)
で、框から外を見たが、こんな
門
(
かど
)
には最明寺、思いも寄らぬ令嬢風に、急いで
支膝
(
つきひざ
)
になって
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
凩
(
こがらし
)
に
吹
(
ふ
)
かれぬ
前
(
まへ
)
に、
雪国
(
ゆきぐに
)
の
雪
(
ゆき
)
が
不意
(
ふい
)
に
来
(
き
)
て、
其
(
そ
)
のまゝ
焚附
(
たきつけ
)
にも
成
(
な
)
らずに
残
(
のこ
)
つた、
冬
(
ふゆ
)
の
中
(
うち
)
は、
真白
(
まつしろ
)
な
寐床
(
ねどこ
)
へ
潜
(
もぐ
)
つて、
立身
(
たちみ
)
でぬく/\と
過
(
す
)
ごしたあとを、
草枕
(
くさまくら
)
で
寐込
(
ねこ
)
んで
居
(
ゐ
)
た
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と婆さんは、老いたる客の真面目なのを気の毒らしく、半纏着の背中を
立身
(
たちみ
)
で
圧
(
おさ
)
えて
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
立身
(
たちみ
)
になり、片手を卓子につきながら、
低声
(
こごえ
)
で何か命じて、学生にその
筆
(
ペン
)
を運ばしめていたが、ちょっと筆を留めて伺った顔に
頷
(
うなず
)
いて見せて、光起は
衝
(
つ
)
と立直った時、ふと、帯をしているお夏を見て
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
衝
(
つ
)
と
戸袋
(
とぶくろ
)
へ、
立身
(
たちみ
)
で
斜
(
なゝ
)
めに
近
(
ちか
)
づいて
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“立身”の意味
《名詞》
他人の慈悲に頼らずに生活できる、ちゃんとした人間になること。
立派な人間になること。社会的に高い地位を得ること。
(出典:Wiktionary)
“立身”の解説
立身(りゅうしん)は、649年から664年まで日本で用いられた冠位である。19階中最下位で、小乙下の下に位置する。
(出典:Wikipedia)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“立身”で始まる語句
立身上
立身出世
立身冠
立身栄達