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突掛
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つっか
ふりがな文庫
“
突掛
(
つっか
)” の例文
何か知らん痛いものに脚の指を
突掛
(
つっか
)
けて、危く大噐氏は顛倒しそうになって若僧に
捉
(
つか
)
まると、その途端に提灯はガクリと
揺
(
ゆら
)
めき動いて
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
本堂の中にと消えた若い芸者の姿は再び階段の下に現れて
仁王門
(
におうもん
)
の方へと、
素足
(
すあし
)
の指先に
突掛
(
つっか
)
けた
吾妻下駄
(
あずまげた
)
を
内輪
(
うちわ
)
に軽く踏みながら歩いて行く。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と
唐突
(
だしぬけ
)
に毒を吐いたは、
立睡
(
たちねむ
)
りで居た頬被りで、
弥蔵
(
やぞう
)
の
肱
(
ひじ
)
を、ぐいぐいと
懐中
(
ふところ
)
から、八ツ当りに
突掛
(
つっか
)
けながら
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と云って、
起上
(
おきあが
)
りながらズンと金太郎の額へ
突掛
(
つっか
)
けたから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(ぶらつく体を
杖
(
ステッキ
)
に
突掛
(
つっか
)
くる
状
(
さま
)
、
疲切
(
つかれき
)
つたる
樵夫
(
きこり
)
の如し。しばらくして、叫ぶ)
畜生
(
ちくしょう
)
、
状
(
ざま
)
を見やがれ。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
兄さん、
此処
(
ここ
)
は
潮
(
しお
)
の
突掛
(
つっか
)
けて来るところだからネ、
浮子釣
(
うきづり
)
ではうまく行かないよ。
沈子釣
(
おもりづり
)
におしよ。
蘆声
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
大分禿げ上った頭には
帽子
(
ぼうし
)
を
冠
(
かぶ
)
らず、
下駄
(
げた
)
はいつも
鼻緒
(
はなお
)
のゆるんでいないらしいのを
突掛
(
つっか
)
けたのは、江戸ッ子特有の
嗜
(
たしな
)
みであろう。仲間の職人より先に一人すたすたと
千束町
(
せんぞくまち
)
の住家へ帰って行く。
草紅葉
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お
媼
(
ば
)
さんが
突掛
(
つっか
)
け草履で、片手を懐に、小楊枝を襟先へ
揉挿
(
もみさ
)
しながら、いけぞんざいに炭取を
跨
(
また
)
いで出て、敷居越に立ったなり、
汚点
(
しみ
)
のある額越しに、じろりと
視
(
み
)
て
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鼠股引氏は
早速
(
さっそく
)
にその
球
(
たま
)
を受取って、
懐紙
(
かいし
)
で土を拭って、取出した小短冊形の杉板の焼味噌にそれを
突掛
(
つっか
)
けて
喫
(
た
)
べて、余りの半盃を
嚥
(
の
)
んだ。土耳古帽氏も同じくそうした。
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
湯帰
(
ゆあが
)
りに
蕎麦
(
そば
)
で
極
(
き
)
めたが、この節
当
(
あて
)
もなし、と自分の
身体
(
からだ
)
を
突掛
(
つっか
)
けものにして、そそって通る、横町の酒屋の
御用聞
(
ごようきき
)
らしいのなぞは、相撲の
取的
(
とりてき
)
が仕切ったという
逃尻
(
にげじり
)
の、
及腰
(
およびごし
)
で
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
油然
(
ゆうぜん
)
として同情心が
現前
(
まのあたり
)
の川の潮のように
突掛
(
つっか
)
けて来た。
蘆声
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
歯の曲った、女中の台所
穿
(
ばき
)
を、雪の素足に
突掛
(
つっか
)
けたが、靴足袋を脱いだままの
裾短
(
すそみじか
)
なのをちっとも
介意
(
かま
)
わず、水口から木戸を出て、日の光を浴びた
状
(
さま
)
は、踊舞台の
潮汲
(
しおくみ
)
に似て非なりで
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紋着
(
もんつき
)
の着流しで、羽織も着ないで、足袋は
穿
(
は
)
いていなさったようでやすが、赤い鼻緒の草履を
突掛
(
つっか
)
けて……あの廊下などを穿きますな……何だか知りませんが、綺麗な大形の扇を帯に打込んで
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“突掛”で始まる語句
突掛者
突掛草履