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突伏
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つツぷ
北八は、にやり/\、
中流に
至る
頃ひ
一錢蒸汽の
餘波來る、ぴツたり
突伏して
了ふ。
危えといふは
船頭の
聲、ヒヤアと
肝を
冷す。
お栄が眼を覚まして
跳起きて見ると、姉は床の上に
突伏して、
身体を震はせて居た。
時恰も、
其の
客を
會した
處。
入口に
突伏して
云ふ
下男の
取次を、
客の
頭越しに、
鼻を
仰向けて、フンと
聞き
しきりもない
小屋内が、
然らぬだに、おびえる
處、
一齊に
突伏す
騷ぎ。やゝ
氣の
確なのが、それでも
僅に
見留めると、
黒髮を
亂した、
若い
女の、
白い
姿で。……
見るまに
影になつて、フツと
消える。