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つツぷ
時恰も、
其の
客を
會した
處。
入口に
突伏して
云ふ
下男の
取次を、
客の
頭越しに、
鼻を
仰向けて、フンと
聞き
しきりもない
小屋内が、
然らぬだに、おびえる
處、
一齊に
突伏す
騷ぎ。やゝ
氣の
確なのが、それでも
僅に
見留めると、
黒髮を
亂した、
若い
女の、
白い
姿で。……
見るまに
影になつて、フツと
消える。
お
艷は
死ものぐるひな、
小助を
突飛ばしたなり、
茶の
間へ
逃げた。が、
壁の
隅へばつたり
倒れたまゝ
突臥して、
何を
云つてもたゞさめ/″\と
泣くのである。