相俟あひま)” の例文
やまおきならんでうかこれも無用なる御台場おだいば相俟あひまつて、いかにも過去すぎさつた時代の遺物らしく放棄された悲しいおもむきを示してゐる。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
中央ちうあうおよび地方ちはう財政ざいせい整理緊縮せいりきんしゆく國債こくさい整理せいり國民こくみん消費節約せうひせつやくとが相俟あひまつて其效果そのかうくわもつと國際貸借こくさいたいしやくうへあらはれたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
荒蕪くわうぶノ地ヲ開墾スルナド興スベキ産業ハ天然ノ景色ト相俟あひまツテ有志ノ志ヲ待チツツアル、牡鹿唯一ノ都ハ無意味ニ廃頽はいたいニ帰スベキデハナイ、石巻恢復ノ策三ツアル
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「きりしとほろ上人伝しやうにんでん」は古来あまねく欧洲天主教国に流布るふした聖人行状記の一種であるから、予の「れげんだ・おうれあ」の紹介も、彼是ひし相俟あひまつて始めて全豹ぜんぺう彷彿はうふつする事が出来るかも知れない。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
近代日本きんだいにほんのこのすぐれた文人ぶんじんふではじめて麻雀マアジヤンのことがかれたといふのは不思議ふしぎ因縁いんねんともふべきで、カフエ・プランタンではじめて麻雀マアジヤンあそんだ人達ひとたち文人ぶんじん畫家ぐわかおほかつたといふのと相俟あひまつて
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
兩樣りやうやう事實じじつ相俟あひまつて日本にほん經濟界けいざいかい基礎きそ確立かくりつする。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)