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發覺
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はつかく
勘次はそれを
大事に
懷へ
入れた。
惡事の
發覺でも
恐れるやうな
容子で
彼は
周圍を
見廻した。
内儀さんは
僅かなことだから
棄てゝ
置いて
遣れといつたが
然し
傭人は一つには
惡戯から
米を
明けて
其の
代に一
杯に
土を
入れて
置いた。
勘次は
發覺したことを
怖れ
且つ
恥ぢて
次の
日には
來なかつた。
お
品は
有繋に
惜しい
果敢ない
心持がした。
第一に
事の
發覺を
畏れた。それで一
旦は
能く
世間の
女のするやうに
床の
下に
埋めたのをお
品は
更に
田の
端の
牛胡頽子の
側に
襤褸へくるんで
埋めたのである。