いえ)” の例文
此近在の農人のうにんおのれが田地のうちに病鶴やめるつるありてにいたらんとするを見つけ、たくはへたる人参にんじんにて鶴の病をやしなひしに、日あらずやまひいえて飛去りけり。
又市は疵口の膏薬を貼替えまして、白布で巻いては居りますが、疵も大方いえたから酒好さけずきと云う事を知り、膳立ぜんだてをして種々の肴をこしらえまして
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
数旬をやまいいえ退院たいいんせんとする時、その諸費をはらわんとせしに院吏いんりいう、君の諸入費しょにゅうひ悉皆しっかい福沢氏よりはらわたされたれば、もはやその事に及ばずとなり。
枕の柔軟硬度に気をつけなければ頭の病気もいえるものではないと得意気にいう天理教信者らしいものや、横見を決してしたことのない女や、ときどき湯の中で奇声を発すると
馬車 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「さな嘆きそ。世は七顛八起ななころびやおきといはずや。心静かに養生せば、早晩いつかいえざらん。それがし身辺かたわらにあるからは、心丈夫に持つべし」ト、あるいはののしりあるいは励まし、甲斐々々しく介抱なせど
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
おくるや可惜あたら若木わかきはなにおくれてぬべきやまひいえたるものゝわづ手内職てないしよく五錢ごせん六錢ろくせん露命ろめいをつなぐすべはあらじをあやしのことよとたづねるに澆季げうきとはくものゝなほ陰徳者いんとくしやなきならで此薄命このはくめい
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
からんからん茶椀をならしみつれどもさびしさいえずひとりいひ食む
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
しほはゆき温泉いでゆを浴みてこよひやまひいえむとおもふたまゆら
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
此近在の農人のうにんおのれが田地のうちに病鶴やめるつるありてにいたらんとするを見つけ、たくはへたる人参にんじんにて鶴の病をやしなひしに、日あらずやまひいえて飛去りけり。
相変らず按摩を致してる内に、よう/\の事で眼病もいえるような事なれども、揉療治を致すような身の上に成ったから、し屋敷の者に見られては相成らぬと思うて、屋敷近くへ参る事も出来ず
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)