留置とめおき)” の例文
お国の大事の大事の書類は、麹町郵便局に留置とめおき郵便にして置いてあります。あなた、いい土産話でしょう。感謝しませんか
計略二重戦:少年密偵 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
歎願にまかり出でた次第でござります、承われば罪人の内三人の総代をお留置とめおきに相成り候由、非道のおん事も是れ有るまじくとは存じますが、残り一同の罪人どもは
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
留置とめおきあづけなどゝ云ふことにせられては、病体でしのねるから、それはやめにして貰ひたい。倅英太郎は首領の立てゝゐる塾で、人質ひとじちのやうになつてゐて帰つて来ない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
あの夕方門の前にたたずんでいた以来は、何の消息たよりもありませんが、しかしその五月前の葉書には、確かに南高来みなみたかき郡大野木村郵便局留置とめおきと、いつもの住所が書いてあったのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
数え年の十三歳(生活年齢は十二年と五カ月)で尋常四年生の彼は原級留置とめおきを二度も喰った落第坊主だった。けれども父親にしてみれば、何とかしてこの子を——と思うのである。
白い壁 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
そこで又問答が行われたのだが、その結果、北園竜子の大小十三箇の引越し荷物は、運賃前払、東海道三島駅前運送店留置とめおきという指図で、昨日の夕方貨車に積み込んだことが判明した。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
右の写本しやほん一名いちめいつき三日間みつかかん留置とめおきおきてで社員へまわしたのです、すると、見た者は鉛筆えんぴつ朱書しゆがき欄外らんぐわいひやうなどを入れる、其評そのひやうまた反駁はんばくする者が有るなどで、なか/\面白おもしろかつたのであります
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
右の面々が一網打尽いちもうだじんに引上げられ、厳重なお取調べを受けた上に、人相書まで取られたり、爪印をいられたり、お陣屋へお留置とめおきを食った上に、ようやくのことで釈放されたという次第で
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いとひの聟入むこいり祝言しうげん表向おもてむきにせず客分きやくぶんもらうけたるがもとより吝嗇の五兵衞なれば養父子の情愛じやうあひ至てうすく髮も丁稚小僧同樣に一ヶ月六十四文にて留置とめおき洗湯せんたうへは容易に出さず内へ一日おいて立る程なれば一事が萬事にても辛抱しんばうが出來兼る故千太郎は如何はせんと思案の體を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「君は私が先刻さっき本当の事を云ったと思っているのかね。麹町郵便局に留置とめおきにしてあると云うのは、出鱈目でたらめなのだ。アハハハハ。君が本気にしたのは気の毒だったねえ」
計略二重戦:少年密偵 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
取敢とりあえず文治には乱暴者として揚屋入あがりやいり仰付おおせつけ、其のの者は当分仮牢留置とめおきを申付けられました。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
手紙類が留置とめおきになっていたという、村の郵便局へ、牧田助役とともに車を走らせる。村の中央、消防の火の見やぐらそばにある、ほんの二、三人ぐらいで働く小さな郵便局である。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
書類は今頃はもう取り返された筈です。先刻さっきあなたはお父さんに、麹町郵便局に留置とめおきにしてあると云いました。僕はそれを部屋の外で聞いていましたから、あなたが窓の所を
計略二重戦:少年密偵 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)