留主るす)” の例文
翌日よくじつばんともはず、ひるからの御馳走ごちそう杉野氏すぎのしはうも、通勤つうきんがあるから留主るすで、同夫人どうふじんと、夫人同士ふじんどうし御招待ごせうだいで、すなはち(ぜんづ。)である。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が悪うてとてもはや冗談は云えませんなうして中々ちま/\としてえて、かてえ気性でござえますから、冗談は云えましねえよ、旦那様がお留主るすの時などは
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
きっと役に立つことがあるからだまっとって置けと云て、その薬を私に渡して別れた所が、果してしかり、長与の外行留主るす中、毎度発熱して、れキニーネまたキニーネとて
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
住居すまゐ其処等そこら散歩さんぽをする、……ほこらいへにはおうら留主るすをして、がために燈火ともしびのもとで針仕事はりしごとでもるやうな、つひしたたのしい心地こゝちがする。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やしきにはこの頃じゃ、そのするような御新姐ごしんぞ留主るすなり、あなはすかすかと真黒まっくろに、足許にはちの巣になっておりましても、かに住居すまい、落ちるような憂慮きづかいもありません。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やすめともいはずはじめから宿やど常世つねよ留主るすらしい、ひとめないとめたものゝやうにえる。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
留主るすにおらが亭主ていしゆぬすむぞよ。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)