男子をのこ)” の例文
そはこの話にとどまらず、安珍あんちん清姫きよひめの話を翻訳したる「紀州きしう日高ひだかの女山伏やまぶしを殺す事」も然り、くずの話を翻訳したる、「畜類人とちぎ男子をのこを生む事」
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ここに建内の宿禰白さく、「恐し、我が大神、その神の御腹にます御子は何の御子ぞも」とまをせば、答へて詔りたまはく、「男子をのこなり」と詔りたまひき。
男子をのこ名は古日ふるひを恋ふる歌」の短歌である。左注に此歌の作者が不明だが、歌柄から見て憶良だろうと云って居る。古日ふるひという童子の死んだ時弔った歌であろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
哥薩克男子をのこの骨の髄まで爽々しく浸みとほる冷たい夜気にブルッと身震ひを覚えるのが彼等には何より快いのだ、伸びをして、夢見心地で何か呟やきながら、彼等は一服喫ひつけてから
履物はきものがどうも不思議ふしぎで、我々われ/\紗綾縮緬さやちりめん羽二重はぶたいを着ますのは心恥こゝろはづかしい事で、すでしん五百だいにもりますとほり「木綿もめん男子をのこのやうにおくゆかしく見え」とじつ恐入おそれいります、何卒どうぞ此方こちらへ/\。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
思ふにかの無情つれな男子をのこは君が色を愛して、君が心を愛せざりしなり。
男子をのこなれふぐり締めこそひよろ腰のへなへなゐしきむしろうつべし
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
男子をのこはも国を歎けど若草の妻の歎くは家のため子のため
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
男子をのこくゆりて、雙手もろて、見よ、ひらけり。
おれの家はだだつ広い野原で、蒼黒い雨雲が屋根の代りになるのだよ。鷲めがおれの鳶いろの眼球めだまをつつき、哥薩克男子をのこのこの骨は雨露あめつゆに洗はれて、やがては旋風の力でひからびてしまふことだらう。
椰子の葉をかざしつつ来る男子をのこらの黄なるころもは皆仏子ぶつしにて
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
筑紫の三瀦みづま男子をのこが酔ひ泣くと夏はこぞりて蟹搗きつぶす
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
声あげて笑ふ男子をのこが眼のゆさ霹靂はたたがみなし妻にころばゆ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
怖れと寒けがゾッと哥薩克男子をのこの背筋を走つた。
おづおづと退しざる。あはれ男子をのこ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)