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ゆら
ふりがな文庫
“
由良
(
ゆら
)” の例文
「そんなのぢやありませんよ——今日は飯田町のお
由良
(
ゆら
)
と一緒に龜戸の天神樣へ藤を見に出かける約束で、朝早く誘ひに行くと——」
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
まったくの暗闇合戦で、この市街戦では、新田の重臣、船田ノ入道義昌が戦死し、千葉ノ介
高胤
(
たかたね
)
、
由良
(
ゆら
)
新左衛門なども、
巷
(
ちまた
)
に仆れた。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
万葉集の歌「うらうらと照れる春日に
雲雀
(
ひばり
)
あがり心悲しも独し思へば」や「
妹
(
いも
)
がため貝を拾ふと津の国の
由良
(
ゆら
)
の
岬
(
みさき
)
にこの日暮しつ」
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
越川斎宮の毒舌にはよく
譬
(
たと
)
え話が出る、いつだったか、
由良
(
ゆら
)
正七郎という若者が、たび重なる乱暴のあげく原小一郎を
斬
(
き
)
った。
醜聞
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
お園が七ツのおりにその新助が「
由良
(
ゆら
)
の港の山別れ」を教えた。ある折、一段語りおえて、親たちを嬉しがらせたあとで
竹本綾之助
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
かつて『
大和物語
(
やまとものがたり
)
』の
蘆刈話
(
あしかりばなし
)
の元の形かと考えてみた、
近江
(
おうみ
)
由良
(
ゆら
)
の
里
(
さと
)
の
竈神
(
かまどがみ
)
の
由来譚
(
ゆらいだん
)
なども、
袋中
(
たいちゅう
)
の大徳は是を
事新
(
ことあた
)
らしく書き伝えたけれども
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
芝居は大概年に二回、五月と正月とに催されるので、その時分にこの島へ渡れば、洲本、福良、
由良
(
ゆら
)
、
志筑
(
しずき
)
等の町をはじめ、至る所の在所でやっている。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
海岸を東へ往って、
野根山
(
のねやま
)
と云う山を越えると
阿波
(
あわ
)
の国になります。阿波から船で
由良
(
ゆら
)
の
門
(
と
)
を渡って往きます。
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
江戸の旗本の家に、
冠
(
かんむり
)
若太郎という十七歳の少年がいた。さくらの花びらのように美しい少年であった。
竹馬
(
ちくば
)
の友に
由良
(
ゆら
)
小次郎という、十八歳の少年武士があった。
懶惰の歌留多
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
して居る様子は「にわか」の
由良
(
ゆら
)
さんを十倍したほど下品に滑稽で間抜けに見えた。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
厨子王が登る山は
由良
(
ゆら
)
が
嶽
(
たけ
)
の
裾
(
すそ
)
で、石浦からは少し南へ行って登るのである。柴を苅る所は、
麓
(
ふもと
)
から遠くはない。ところどころ紫色の岩の
露
(
あら
)
われている所を通って、やや広い平地に出る。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それから数日たって、机を並べている
由良
(
ゆら
)
という男から井上君の噂を聞いた。
秀才養子鑑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
掻き彈くや
三
由良
(
ゆら
)
の
門
(
と
)
四
の
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
この
由良
(
ゆら
)
鬼
(
おに
)
のいとほしさ
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
「そんなのじゃありませんよ——今日は飯田町のお
由良
(
ゆら
)
と一緒に
亀戸
(
かめいど
)
の天神様へ藤を見に出かける約束で、朝はやく誘いに行くと——」
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
帆は切り裂かれても、船は運よく、
由良
(
ゆら
)
の
岬
(
みさき
)
にも乗りあげずに、
鯉突
(
こいつき
)
の鼻をかわして、狂浪に
翻弄
(
ほんろう
)
されながら外海へつきだされていた。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、眼を塞がれた儘大口を開いて怒鳴り立て、「
由良
(
ゆら
)
さん」のように両手を擴げて歩み出します。
幇間
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
これはこの山の神がまだ人間の美しいお姫様であった頃に、丹後の
由良
(
ゆら
)
という所でひどいめにあったことがあったから、そのお怒が深いのだといっておりました。(東遊雑記その他)
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
宮崎が舟は廻り廻って、丹後の
由良
(
ゆら
)
の港に来た。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
と
湧井郷
(
わくいごう
)
の
博奕
(
ばくち
)
打ち——表稼業は福知山から積出しの船株持ち
由良
(
ゆら
)
の伝吉の荒格子へ飛び込んで来たのは、馬子の
権十
(
ごんじゅう
)
であった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
氣性者のお
由良
(
ゆら
)
は夜歩きなどは何んとも思つてはゐなかつたのでせう。
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
すなわち
由良
(
ゆら
)
・
女良
(
めら
)
及び
福良
(
ふくら
)
である。右の内ユラとメラとはまだ意味がよく分らぬが、福良は日本語の
膨
(
ふく
)
れると言う語と語原を同じくするもので、海岸線の湾曲している形状に基いたものと思う。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それと同じように水の動揺によって平らげた岸の平地を
由良
(
ゆら
)
とか
由利
(
ゆり
)
とかいっている。すなわちユラグ、ユルなどという言葉が転じたのである。それから山中で少しく平らな所をナル・ナロと呼ぶ。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
お
由良
(
ゆら
)
が殺されて御用聞が來たと聽いて、唯もう顫へ上がつてしまひましたが、昨夜宵のうちにお由良が訪ねて來て、豫ての打合せの合圖で路地の外に誘ひ出され、ほんの二た口三口話をしたつきり
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
由
常用漢字
小3
部首:⽥
5画
良
常用漢字
小4
部首:⾉
7画
“由良”で始まる語句
由良之助
由良松
由良亀
由良千軒
由良川尻
由良之助様
由良弥惣次